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小学生の頃、先生に「漢字で書けるものは漢字で書きなさい」と教わりませんでしたか?実はこの指導、日本語の表記ルールとしては“的外れ”なのです。ビジネスメールで頻出する「お願い致します」と「お願いいたします」を例に、読み手に配慮した正しい使い分けのルールに迫ります。(日本漢字能力検定協会 現代語研究室長 佐竹秀雄)
小学校で教えてくれない
漢字と仮名の“違い”
日本語の表記は、漢字仮名交じり文と呼ばれています。表記の中心になるのが、漢字と仮名(実際には平仮名)だからです。その漢字と仮名は、どのように使い分けられているのでしょうか。
小学生のころ、先生から「漢字で書けるものは漢字で書きなさい」と言われたことはありませんか。
これは、漢字を覚えさせるのに必死だった先生がもらした言葉で、指導としては的外れです。漢字と仮名にはそれぞれの役割があり、それを踏まえて使い分けるべきだからです。
漢字は意味を表すので、表意文字と呼ばれています。それに対して、平仮名1字1字では、意味を表せません。
ですから、日本語を表記するときも、漢字は意味を表す役割を担い、平仮名は意味以外を表す役割を果たしています。
実際の例文で確認してみましょう。
この文を、単語に分けてみると、次のようになります。
漢字だけで書かれているものは「大型・客船・窓」です。これらは名詞で、明確な意味があります。その意味を漢字で表しています。
次に、「珍しい・見え」は漢字と仮名が交じっています。どちらも意味ははっきりしています。
ただ、これらは「珍しく、珍しければ」とか、「見えない、見える、見えれば」などと活用します。そこで、意味は明確なので漢字で書くけれど、送り仮名は仮名で書くので、両者が交じります。
残りの「こと・に・の・が・から・て・いる」は平仮名だけです。
このうち、「に・の・が・から・て」は助詞と助動詞で、それ自体には意味がありません。表記上の役割としては、意味よりも音声を示すことが中心なので、仮名書きになります。







