株式投資の成果を左右するのは、銘柄選びだけではありません。売買のタイミングが非常に重要です。株で利益を出し続けている人たちは、チャートのどこを見て売買を判断しているのでしょうか。「損切りは早く、益出しは遅く」と話すのは、2000億円超を運用した元ファンドマネジャーで、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、急落した株の正しい対処法を紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「株価急落で資産を守れる人と失う人」決定的な考え方の違いPhoto: Adobe Stock

急落直後の投資判断で資産に大きな差がつく

 株式投資では、どれだけ慎重に株を買っても、予期せぬ材料によって株価が急落することがあります。

 そんなとき、多くの個人投資家は「今売るのはもったいない」「いったん様子を見よう」と考える傾向にあります。しかし、その判断が損失をさらに大きくしてしまうかもしれません。

 窪田さんの著書『株トレ』では次のようなケースが紹介されています。あなたなら、どんな売買判断を下しますか?

買った途端に急落、あなたならどうする?

買った途端に急落した。こんな時、あなたならどうする?買った途端に急落した。こんな時、あなたならどうする?

 上のチャートをご覧ください。

 J社は4カ月前に悪材料が出て株価が急落しました。その後は、1,040円付近を下値支持線、1,300円付近を上値抵抗線とする三角もちあいを形成し、売買高の増加とともに株価は緩やかに上昇していました。

 あなたは、株価が上値抵抗線を上抜けた1,312円で買いました。

 ところが、その直後に新たな悪材料が出て、翌日は売り気配でスタート。午前中にようやく値が付いたものの、株価は20%以上安い1,042円まで急落しました

 あなたなら、どうしますか。

① 1,050円で指値で売り注文を出し、少しでも高く売れるのを待つ
② 成行で売り注文を出す
③ ナンピンして平均取得単価を下げる

 窪田さんは、この場面での正しい判断は「②成行で売り注文を出す」だと言います。

 強い売りシグナルが出たら、買値に関係なく躊躇なく売る。それができれば上級者だと窪田さんは伝えています。このチャートでは、迷わず「売り」の判断です。

 J社の前日終値は1,312円だったため、この日の最大値幅は300円安です。そこまで下落しても買い注文が入らなければ、「ストップ安・売り気配」となり、その日は売ることができなくなります。

 わずかなリバウンドを期待して指値注文を出しているうちに、ストップ安・売り気配となって売れなくなれば、翌日もさらに売り気配で始まり、一段安になる可能性があります。

 だからこそ、このような緊急時は、価格よりも「確実に売って損失を食い止めること」を優先すべきなのです。

逆指値・成行注文を使う

 日中に相場を見られない人は、あらかじめ逆指値の成行売り注文を入れておく方法も有効です。一定の価格まで下落したら自動的に成行注文が出されるため、急落時でも対応しやすくなります。

「損切りは早く、益出しは遅く」。窪田さんはこの言葉を著書『株トレ』の中で何度も強調しています。この原則を徹底できるかどうかが、資産を増やせる投資家とそうでない投資家を分ける大きな違いなのです。