株価が下がり始めても、「一時的な押し目だろう」「そのうち戻るはず」と考え、保有し続けてしまう。ところが、チャートには本格的な下落が始まる前に、危険なサインが現れることがあります。株で利益を出し続けている人たちは、どこを見て下落の兆候を察知しているのでしょうか。「チャートから売り手と買い手の勢いを読み取る」と話すのは、2000億円超を運用した元ファンドマネジャーで、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、チャートを使った売買判断のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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株価が下がっても「押し目」とは限らない
保有している株が高値から少し下がったとき、多くの人は「一時的な調整だろう」と考えます。
上昇トレンドの途中で一時的に株価が下がる「押し目」であれば、確かに買いのチャンスになることがあります。
しかし、押し目だと思っていた下落が、実は本格的な下落の始まりだった――というケースも少なくありません。
この違いを見極められず、株価が大きく下がってから慌てて売る。あるいは、含み損が膨らみ、売るに売れなくなる。これが、株で大損する典型的なパターンです。
では、下落による損失を抑えるためには、チャートのどこに注目すればよいのでしょうか。
このチャート、売り・買い・様子見?
次のチャートを見てください。
株価は約10カ月前に大きく上昇し、その後は600~750円で推移していました。足元では、600円を割り込んで大きく下落しています。
あなたなら、この株を「売り」「買い」「様子見」のどれと判断しますか?
このチャート、売り、買い、様子見?
窪田さんは「売り」だと言います。
注目すべきポイントは、「移動平均線の傾き」と「売買高の変化」です。
窪田さんは著書『株トレ』のなかで、「移動平均線が示すトレンドに逆らうべきではない」と強調しています。
チャートを見ると、10カ月前には勢いよく上昇していた移動平均線が、その後、徐々に横ばいへと変化し、足元では下向きに転じつつあります。上昇トレンドが終わり、下落トレンドへ転換する兆しが表れているのです。
さらに重要なのは、売買高の増加を伴って、株価が大きく下落していることです。
売買高の拡大とともに株価が下がっているのは、何らかの悪材料をつかんだ投資家が、急いで売っている可能性を示します。
今後、さらに売りが広がることも考えられるため、このような局面では売ったほうがよいと窪田さんは指摘します。
大切なのは「予測」よりも変化についていくこと
このようなチャートの銘柄を保有しているとき、「安くなったから」と買い増すのは危険です。下落トレンドに向かう株を、さらに抱え込んでしまう可能性があるからです。
もちろん、チャートのシグナルが必ず当たるわけではありません。売った直後に株価が反発することもあるでしょう。
それでも、下落する可能性が高まっているなら、いったん売ってリスクを抑える。そして、再びチャートに買いシグナルが出たら、そのときに買い直せばよいと窪田さんは言います。
株で勝てる人ほど、「損小利大」のトレードを徹底しています。損切りを早くして損失を小さく抑え、利確を遅らせて利益を大きく伸ばすのです。
チャートを活用したトレードで大切なのは、相場を正確に予測することではありません。チャートに表れた変化を素直に受け止め、トレンドが出たときに速やかに動くことなのです。



