因果関係を正しく測れる
ランダム化比較試験
この問いに答えるために行なわれたランダム化比較試験(編集部注/研究参加者をランダムに振り分け、因果関係をできるだけ正確に確かめる方法。医学界で最も信頼性が高い調査として認められている)の1つが、SPRINT試験です。
SPRINT試験は、ランダム化比較試験のデザインを用いて、「血圧を120未満まで下げるのか、140未満にとどめるのか」という問いを実験的に検証しました。
SPRINT試験は、アメリカを中心とした102の医療施設で行なわれました。対象となったのは、9361人。条件は「50歳以上で糖尿病を持っていないが、心臓病のリスクが高い人」でした。
糖尿病患者が含まれていなかったのは、当時すでに、糖尿病患者における同様の大規模ランダム化比較試験(ACCORD-BP trial)が存在していたからです。
参加者はランダムに2つのグループに割り当てられました。
1.厳格な降圧治療群:収縮期血圧を120mmHg未満に下げることを目指す。必要に応じて複数の降圧薬を使い、きめ細かく治療。
2.標準的な降圧治療群:収縮期血圧を140mmHg未満に下げることを目指す。従来のガイドラインに沿った治療。
研究者たちは約3年間、両グループを追跡しました。主要な観察項目は「心筋梗塞、脳卒中、心不全、心血管死などの重大なイベントが起きるかどうか」。さらに「すべての死因による死亡」についても調べられました。
血圧を120mmHg未満にすると
死亡率が明確に低下した
参加者は、おおむね3年あまりにわたって追跡されました(実際は、想定よりも大きな効果が認められたために途中終了となりました)。その結果、主要な心血管イベントの年間発生率が、標準的な降圧治療群では2.19%であったのに対し、厳格な降圧治療群では1.65%と大幅に低下していました(図2‐3)。
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