地方の防水工事会社が正社員職人を60人育て大手企業から引く手あまた。年商は30倍に

──会社の沿革をお聞かせください。

宮沢 1968年に祖父が防水工事の一種であるコーキング事業で独立し、父も一緒に働いていました。しかし父が病気がちで入退院を繰り返していた上、祖父も脳梗塞で倒れたことから、「早く後を継いでほしい」と頼まれたのです。私は大学進学を諦めて96年に入社し、20代前半から実質的に経営を任されました。

 入社して驚いたのは3K、かつ稼げない実態です。雨が降ると仕事ができず、給料も10万円台。このままでは未来は暗いと感じ、会社の改革を始めました。

地方の防水工事会社が正社員職人を60人育て大手企業から引く手あまた。年商は30倍に代表取締役・宮沢勝富士(みやざわ・かつふじ)氏。1976年群馬県生まれ。県立前橋商業高校卒業後、96年に宮沢コーキング工業へ入社。2005年に社名を群馬建水に変更し、代表取締役社長に就任。1級建築士、1級建築施工管理技士、1級土木施工管理技士。

 その結果、私が入社した頃は年商1億円弱でしたが、30年たった今、年商30億円まで増えました。受注件数は毎年600~1000件ほど。5人だった社員は90人に増え、拠点も本社の群馬の他、南関東1都3県と愛知県・名古屋にまで広がっています。

──会社が大きく成長した理由とは?

宮沢 大手建設会社から大規模な防水工事を受注できるようになったことです。

 防水工事の職人は個人事業主が多く、元請け業者は受注のたびに業務委託で職人を集めるのが一般的です。しかし、弊社には正社員の職人が60人もいます。技術に関しても、コーキングだけでなく、ウレタンやFRPなど基本的な防水工法はすべて社内で行うことができ、1人で数種類をこなす多能工もたくさんいます。新築の建物は屋根・外壁などの屋外防水工事から、地下プールやピットなどの屋内防水工事まで、自社で行えます。

 現在の建設業界は職人不足で、防水工事の職人を集めるのも大変です。しかし弊社に依頼すれば必要な職人の数を即座にそろえられます。また、最近はナフサ不足で防水材が調達しにくくなっていますが、弊社は大規模工事に向けて大型倉庫に防水材を多く確保しているので、今のところ工期の遅れは生じていません。だから、大手建設会社から重宝され、発注していただけるのです。