人生に意味はあるのか? ふと、そんな思いを抱いたことはないだろうか。英国の作家、ジェームズ・ベイリーもその1人だ。そこで彼は、世界のさまざまな分野で活躍する人たちに「人生の意味」を問う手紙を書き、その返事を『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』という本にまとめた。以下は同書に収められた返事のうち、瞑想指導者であるコリー・アレンから届いたものだ。アレンは自殺を考える男性との架空の対話の形式で返事を書いてきた。彼は男性の自殺をどう止めるのだろうか?
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「死ぬべきでない理由を教えてくれ」
男は言った。
「私が死ぬべきでない理由を教えてくれないなら自殺する」
私は答えた。
「君の貴重な時間を無駄にしたくないから、まずは聞かせてくれ。君はいままでどんなことを考えてきたんだい?」
「できるだけ大きく考えたさ。そもそも、なぜ私たちはここに存在しているのか? 誰が宇宙をつくったのか? このすべてに何の意味があるのか? でも、心から納得できる答えは見つからなかった」
「こう考えたことはあるかい? 死ぬことを選べるなら、生きることも選べるって」
「ああ、あるよ」
「なら、生きることはもう試したのかな?」
「人生でやるべきだと言われたことは全部やってみたが、幸せになれなかった」
「ああ、つまり君は生きてはいるが、意識的に生きることをまだ選んではいないんだね。いいかい、ほとんどの人は『人生の意味』と、『人生のなかで自分が見つける意味』を混同している。人生の意味は簡単だ――ただ生きることだ。でも残念ながら、人はものごとを表面的にしか見ない傾向があるから、ただ生きて存在することの豊かさを味わうだけでは満足できない。だから『すべてに価値がある』と感じるために、人生に意味があるという物語を必要とするんだ」
行動によって「人生の意味」を生み出す
「どうしたら、人生をもっと意味のあるものにできるんだ?」
「意味とは、自分の行動を通じて生み出すものだ。毎日君がやっていることのなかで、生きているという実感を強く感じられることを見つけて、それをもっとやる。それが大きいか小さいか、クールかダサいか、永続的か一時的かなんて気にしなくていい。問題は『何をするか』じゃない。それをやって君が『どう感じるか』が大事だ」
「すると、もし私が何かをして、ああ生きていると実感できたら、人生に意味を生み出して幸せになれるっていうのかい?」
「そうだ、それが本当に生きるということだ。生きていると感じられることに費やす時間が増えれば増えるほど、人生での行動に方向性が生まれ、目的があると感じるようになる。目的を感じながら生きていると、やがて充実感を覚えるようになる。過去を振り返り、自分が生み出してきた意味をポジティブにとらえられるようになるからだ。そうすると心にほのかな光のようなものを感じるだろう。それは『幸せ』って呼ばれることが多いけどね」
生きていることを実感できることを探す
「なるほど、わかったよ。これからは何に生きる実感を覚えるのかじっくりと考え、注意を払うようにするよ。何かをやって、力がみなぎるのを感じたら、その特別な感覚を意識する。そしてそれをもっとやる。生きていることを実感できることをやって、ただ存在する代わりに、本気で生きようとしてみるよ」
「わかってくれてよかった」
「答えてくれてありがとう。人生を深く考える助けになったよ。人生にはいろんな可能性があって、それを実現する力が私にはある――そんな気がしてきた」と男は言った。
私は答えた。
「いや、なんでもないことだよ。私は生きていると強く感じられることをやっているだけだから」








