人生の後半を幸せに過ごせる人と、むなしさを抱えてしまう人。その違いはどこにあるのだろうか。世界中の著名人に「人生の意味」を尋ねた『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』には、晩年になって後悔しないためのヒントが数多く登場する。そこから見えてくる、老後の幸福を大きく左右する「あること」とは。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

老後「人生をやり直せるなら絶対に変えたい」と後悔すること・ワースト1Photo: Adobe Stock

引退するなり孤立する人

 現役時代に自分のキャリアや成功ばかりを追い求め、周囲との関係をおろそかにしてきた人は、社会的役割を失った途端に深い孤立に直面する。

 書籍『人生の意味』において、社会派小説家のジョディ・ピコーは、私たちが人生の終わりに問われるべき基準について、次のように鋭く問いかけている。

 私にとって人生の意味を測る基準は、生きているあいだにどれだけ多くの人の心を開くことができたかです。
 あなたはこのつかのまの人生のなかで、あなた自身の家族から見知らぬ人までの人々の視野を広げ、世界をすべての人にとってより公正な場所にするために、どんなことをしているでしょうか? ――『人生の意味』より

 私たちの人生の価値は、独りで抱え込んだ富ではなく、他者と関わり、どれだけ多くの人の心を開けたかで測られる。つながりを拒み、自分本位に生きてきた人は、孤独の中で生きる意味を見失ってしまうのだ。

 また、若いうちは「自力で生きられる」と思い上がりがちだが、予期せぬ落とし穴に直面したとき、初めて他者との支え合いの尊さに気づく。

一人で生きていくことは不可能

 死亡事故を起こして服役を経験した元プロゴルファーのジョン・ホスキソンは、どん底を経て温かいコミュニティに出会った瞬間の喜びをこう語る。

 これまで私は基本的に自力で生きてきましたが、突如お互いのことを気遣う大きなチームの一員になったのです。
 そして、人生の意味がはっきりわかりました。
 本当の幸せは、与えられた以上に与えることで得られるのだと悟りました。
 人々と心身の健康を支え合い、人生の落とし穴を乗り越えられるように手を差し伸べ合うことでこそ、幸せは得られるのでしょう。――同書より

 どれほど恵まれた人間でも、一人で生きていくことはできない。本当の幸福は、他者を気遣い、支え合う人間同士の温かい関係性の中でこそ得られるものだ。

 仕事や成功を優先し、人とのつながりを後回しにしているうちに、人生は過ぎていく。そして、仕事を離れたときに周囲に誰もいなくなってから、「もっと人を大切にして生きればよかった」と気づいても、失われた時間は戻ってこない。

 老後に「人生をやり直したい」と悔やまないためにも、いま身近にいる人を大切にし、自分から他者に手を差し伸べることだ。人生の最後に残るのは、肩書や成功ではなく、自分が築いてきた人とのつながりなのだから。