「マインドフルネスは欧米発の新しいメソッド」――そう思っている人は多いが、そのルーツは意外にも私たちの足元にある。米国在住の精神科医・久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』には、森田療法など日本にもともとあった「心の整え方」との共通点も書かれている。著者のインタビューを掲載する。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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マインドフルネスのルーツは東洋にある
――「科学的な脳の休息法」であるマインドフルネスは、アメリカで一大ブームとなり、いまや一般的なものとなっているそうですが、そのルーツは東洋にあるのですよね。
久賀谷亮氏(以下、久賀谷):はい。マインドフルネスの起源は原始仏教にあると言われています。19世紀にイギリス人がスリランカを訪れた際にこの概念に出会い、西洋に持ち帰ったのです。西洋人が東洋の思想や瞑想を自分たち用にアレンジし、宗教性を排除して実用面に比重を置いたものが、現在のマインドフルネスです。
森田療法と内観療法
――ということは、私たち日本人にとってもなじみ深いものなのでしょうか。
久賀谷:そうです、日本人は最高の休息法を知っていたんですよ。具体的に言うと、日本で心身症などの治療法として生まれた森田療法や内観療法はマインドフルネスの考え方にかなり近いです。森田療法は、1919年に精神科医の森田正馬によって創始されたものです。不安や恐怖などの症状を排除しようとするのではなく、一定の作業などに没頭させることで、考えにとらわれない「あるがまま」の状態をつくることを目指します。症状を「あるがままに受け入れる」という姿勢は、まさにマインドフルネスの核心と重なります。
――内観療法はどうでしょうか。
久賀谷:内観療法は1960年代に導入され、吉本伊信にルーツがあります。自分の内面を客観的に見つめ直すことで、人間関係や自己認識を整えていく方法です。
欧米の最新メソッドの根底にある日本の知恵
――まさにマインドフルネスの「いまここをあるがままに受け入れる」「自分を客観視する」という考え方に通じますね。
久賀谷:欧米の最新メソッドとしてマインドフルネスを捉えがちかもしれませんが、その根底には、日本人が古くから培ってきた心の整え方があるのです。考えてみれば、禅や茶道、武道など、日本の伝統文化には「いまここに集中する」という精神が随所に根づいています。マインドフルネスを実践するにあたって、日本人は文化的な素地をすでに持っているとも言えるのではないでしょうか。



