「疲れているのにベッドで頭が騒がしく、同じことを何度も考えてしまう」――その原因は、思考のループから抜け出せない脳の状態にあるのかもしれない。現役の米国在住精神科医・久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』には、雑念を断ち切るアプローチも書かれている。著者のインタビューを掲載する。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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モンキーマインドが脳を疲弊させる
――疲れているからとベッドに入っても、頭の中にいろいろな雑念が浮かんでは消え、かえって疲れてしまうことがあります。
久賀谷亮氏(以下、久賀谷):頭の中にさまざまな雑念が渦巻いている状態を「モンキーマインド」と呼びます。サルたちが頭の中でうるさく騒ぎまくっているような状態です。この状態では脳のエネルギーが膨大に浪費され、どんどん疲労が蓄積して睡眠の質も低下してしまいます。
――その「サルの騒ぎ」を静めるにはどうすればいいのでしょうか?
久賀谷:雑念に対する「認知」を変えることが大切です。自分が駅のプラットホームにいて、そこに「考え」というサルを乗せた電車が入ってくる様子を想像してみてください。電車はしばらく停車して去っていきますが、あなたはホームに留まったままです。こんなふうに、「考え」に対して傍観者であり続けることが大切なんです。私たちは「考えている自分」と「考えていること」を同一視しがちですが、自分と雑念を同じものとして見る必要はありません。モンキーマインドを脱すれば、脳は本来の力をフルに発揮できるようになります。集中力、判断力、読み書き計算のような処理能力、創造性……そういったものを高めることもできるはずですよ。
5つのアプローチで思考のループを断ち切る
――「考え」のサルを一度見送っても、何度も何度もやって来るようなときはどうしたらいいのでしょうか。
久賀谷:繰り返しやってくる思考のループから脱する「モンキーマインド解消法」として、5つのアプローチがあります。1つ目は「捨てる」こと。思考にラベルを貼り、「もう十分!」と頭の外に送り出します。2つ目は「例外を考える」こと。その考えが当てはまらないケースを意識的に探すのです。3つ目は「賢者の目線で考える」こと。尊敬する人や偉人ならどう考えるかを想像します。4つ目は「善し悪しで判断するのをやめる」こと。良い悪いといった価値判断を手放します。そして5つ目は「由来を探る」こと。なぜその考えが何度も現れるのか、自分の深いところにある願望から考え直すのです。
『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』で紹介しているマインドフルネスを実践しながら、これら5つのアプローチで対処すればモンキーマインドを脱することができるでしょう。マインドフルネスは脳の構造自体を変えますので、モンキーマインドに煩わされない、疲れづらい脳をつくっていくことができます。ぜひ試してみてください。



