自分は何のために生きているのか? ふとそんな問いに立ち止まることはないだろうか。仕事も恋も失い、絶望の中にいた24歳の著者が、答えを求めて世界中の名士に手紙を送り続けた末に生まれたのが、『人生の意味──世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』だ。哲学者から科学者、冒険家、40年以上獄中にいる受刑者まで、さまざまな人物から送られてきた「人生の意味」の答えとは?(ダイヤモンド社書籍編集書局・三浦岳)
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「何のために生きているのだろう?」
日常の中で、「自分は何のために生きているのか」とぼんやり思ってしまうことはないだろうか。そんなとき、ぜひ手に取ってほしい本がある。ジェームズ・ベイリー著『人生の意味』だ。
著者のジェームズは24歳のとき、仕事もなく恋にも破れ、祖父の遺したトレーラーハウスで独り、絶望の中にいた。
焦りと不安の中で「人生の意味」を探し求めた彼は、かつて1930年代の大恐慌期に、哲学者ウィル・デュラントが著名人たちに生きる意味を尋ねたプロジェクトの存在を知る。
彼はこのプロジェクトを再現してみようと思いついた。そして、彼は世界のあらゆる階層や職業、多様な背景を持つ名士たちに、「人生の意味って何ですか?」という手紙を書いて送るという気の遠くなるような挑戦を始めた。
手紙への返事はすぐには届かず、冷たい断りの手紙もあったが、やがて世界中から個性豊かな手紙が届き始める――。
「停止した世界」で気づいたこと
もっとも、それだけならジェームズの個人的な趣味で終わる話だった。
しかしその宝物に、やがて光が当たるときが来る。ジェームズは次のように語る。
僕のおかしな短い手紙に、多くの人がわざわざ時間をとって返事を書いてくれたことに改めて感動しながら返事を読み返すうちに、それまでの数年間に友人たちと交わした数々の会話を思い出した。
みんなも僕と同じように途方に暮れ、道に迷い、自分の居場所と進むべき道を見つけようともがいていた。
そしてそのとき気がついた。
私的なプロジェクトとして始めたこの試みは、もっと多くの人に関心を持ってもらえるはずだ。
ベッドの下でホコリをかぶっていた手紙は、広くシェアされる価値がある、と。
僕は自分の始めたプロジェクトを最後まで終わらせることを誓った。――『人生の意味』より
世界が停止し、誰もが不安を抱えていたパンデミックの最中、彼はベッドの下の手紙たちに、暗闇を照らす普遍的な価値を見出したのだ。
「人生の意味」の答えとは?
本書に収録されているのは、決して美しく整えられただけの退屈な名言たちではない。そこには、時に迷い、葛藤を抱えながら生きる人間たちの生々しい体温が宿っている。
この本を読むみなさんが僕と同じように、これらの手紙から何かを得られることを心から願っている。
これから紹介するのは、哲学者や政治家、ポップスター、劇作家、元大統領、受刑者などから来た、そのままの手紙だ。
手書きのものもあれば、タイプされたものやメールもある。裏紙に走り書きされたものもあれば、高級な便箋に書かれたものもある。
1行だけのものや長い回想記もあり、感動的なものも、ただただおもしろいものもある。――同書より
手紙の送り主は、高名な科学者から元大統領、そして45年を獄中で過ごした悪名高き受刑者まで、実に幅広い。
種の維持こそが意味だと考える者、ささやかな日常のコーヒーに幸せを感じる者、あるいは「人生に意味なんて求めるのは時間の無駄だ」と笑い飛ばす者など、提示される答えは驚くほど多様で、時に矛盾すらしている。
だがどんな答えであれ、そこには途方に暮れ、道に迷いながらも、自分なりの生き方でそれに向き合ってきたひとりの人間の姿がある。
多様な人生の断片に触れるうちに、「自分にとっての生きる意味」が、温かな光となって静かに浮かび上がってくるような一冊だ。








