人生の残り時間を意識したとき、私たちの心に浮かぶ思いは何だろうか。仕事でもお金でもなく、もっと静かで痛みを伴う後悔があるという。ジェームズ・ベイリー著『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』より、人生の時間の使い方を見つめ直してみたい。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

「老後、人生を振り返って残念に思うこと」ワースト1Photo: Adobe Stock

他人の期待に応えてばかりではないか?

 老後、人は何を悔やむのだろうか。旅行、仕事、健康……後悔の種はいくらでも思いつく。しかし、それらの奥にもっと根本的な後悔が横たわっているとしたら、それは何だろうか。

 他人の期待に応えるばかりで、自分の心に正直に生きなかったこと。そう考える人は少なくない。

 私たちは失敗を恐れ、周囲の目を気にするあまり、本当にやりたいことを先延ばしにしてしまう。そのような生き方が、人生の時間が残り少なくなってきたとき、最大の悔いとして押し寄せてくる。

 徒歩で世界一周に挑むアレグザンダー・キャンベルは、私たちにこう語りかけ、夢に挑むことの大切さを説いている。

 僕が伝えたいのは、君の情熱を信じて、夢見ることを恐れないで、ということです。
 君を成長させてくれる、心躍る目標に全力投球してほしいんです。
 この大きく美しい世界に生きられるのは本当にすばらしいことだから、人生の旅を思いっきり楽しみましょう。
 人生と呼ばれる、このとんでもない旅をともにしながら、風変わりで不完全な僕らをありのままに支え、受け入れ、愛してくれる人たちを大切にしましょう。――『人生の意味』より

 自分の情熱を信じて全力投球すること、そして不完全な自分をありのままに愛してくれる人々を大切にすること。それこそが、限られた時間を真に楽しむ鍵である。

「もし1年後に死ぬとしたら?」

 しかし、自分の「情熱」が何であるかを見失い、道に迷うこともあるだろう。そのようなとき、作家のマーク・マンソンが提示するシンプルな問いが、進むべき方向を鋭く照らし出してくれる。

 人生に本質的な意味なんてない。
 人生の意味なんてものは、自分の行動や人との関係の副産物だと思う。
 人生に意味を見出せないと感じるとき、自分自身に問いかける。
「もし1年後に死ぬとしたら、いまどうしてもやらなくてはいけないことは何か?」
 この問いへの答えが、私の羅針盤になる。――同書より

「あと1年で命が尽きる」と想像したとき、世間体や他人の期待といったノイズは消え去り、真に重要な価値だけが浮かび上がる。この自問こそが、他人の人生を生きる過ちを防ぐ強力な羅針盤となる。

 自分に正直に生きてこなければ、人生の終わりに後悔することになる。老後、後悔しない唯一の方法は、自らの情熱を改めて見つめなおし、それに従った行動を始めることである。