「幸せになりたい」と願わない人はいないだろう。だが、何が自分を本当に幸せにしてくれるのかを、正しく理解できている人は少ない。数々の試練を乗り越えてきた世界の先達たちの言葉を集めた『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』(ジェームズ・ベイリー著)をもとに、真に豊かな人生を送る人々に共通する特徴を紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

「幸せな人生を送れる人」の特徴・ベスト1Photo: Adobe Stock

他者に貢献する

 私たちは日々、「幸せになりたい」と願い、それを人生のゴールのように追い求めがちだ。良い仕事に就くこと、富を得ること、あるいは夢を叶えること。それらを達成すれば、いつか「幸せ」という名の終着点にたどり着けると考えがちである。

 しかし、そうした目標を達成することそのものが、必ずしも幸せに結びつくわけではない。数々の試練を乗り越え、人生の深淵を見つめてきた世界の先達たちの言葉を紐解くと、真に豊かな人生を送る人々に共通する、明確な特徴が見えてくる。それは、他者に貢献することの中に喜びを見出していることだ。

 数々の困難な手術に挑み、がんを患いながらも医療教育に携わり続ける脳神経外科医のヘンリー・マーシュは、自らの人生を振り返り、こう結論づけている。

 私は人生経験を通じて、「他者」を幸せにすることこそが人生最大の幸福であること、少なくとも、それに比べれば他の喜びはすぐに色褪せてしまうことを学んできました。――『人生の意味』より

 若い頃のマーシュは、名声や成功、物質的な財産の蓄積に余念がなかったという。しかし、そうした喜びは、手に入れた瞬間に色褪せてしまった。一方で、他者を幸せにすること、すなわち他者と協力し、誰かの人生に貢献する喜びだけは、時を経ても輝きを失わないことに気づいたという。

一度幸福になったら終わり、ということではない

 この他者貢献による喜びは、一度手に入れれば終わりというゴールではない。日々のプロセスの中でこそ、繰り返し味わうことができるものである。

 401日間で401回のマラソンを完走するという前人未到の挑戦を成し遂げたランナー、ベン・スミスは、自らの経験から次のように語っている。

 人生を幸福にしてくれるものを見つけるのは、誰にとっても大事なことです。
 でもベタなようですが、僕は幸福が「目的地」ではないことも固く信じています。
 幸福は終着点ではありません。幸福はプロセスであり、旅です。自分のすることや出会う人たちのなかに喜びを見つけることこそが幸福なんです。――『人生の意味』より

 幸福とは、ある日突然どこかから与えられるものでも、特定の条件を満たした先に待っているゴールでもない。常に幸せでいようとする非現実的な強迫観念を捨て、不完全な日々や他者との出会いという「旅のプロセス」そのものを愛せる人こそが、結果として幸福を長く感じられるのである。

 幸せな人生を送る人は、他者を幸せにすることに自分の存在意義を見出している。このシンプルな真理を胸に刻み、他者と深くつながりながら人生を歩んでいくこと。それこそが、私たちが幸せな人生の旅を楽しむための、最も納得のいく方法なのだ。