誰の人生にも、ふと立ち止まって自分の生き方を見つめ直す瞬間がある。世界中の著名人に人生の意味を尋ねた『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』は、そんなときに開きたい一冊だ。晩年をどう生きるかについて、本書の言葉を紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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ギブ&テイクのバランスを取る
定年退職や子育ての終了を迎え、老後になってふと、むなしい思いを抱いてしまう人は少なくない。肩書や役割を失い、社会とのつながりが薄れる中で、いかにして心豊かな晩年を送るべきか。その問いに対する1つの答えは、「他者と助け合い、お互いに与え合う関係を持ち続けること」である。
作家であり冒険家でもあるゲイル・ミュラーは、世界中を巡り、富豪から貧困層まで多様な人々の生き方を見る中で、充足と幸せの本質について次のように気づかされたという。
そしていろんな人生のあり方を見るうちに、ギブ&テイクのバランスが取れた状態から遠ざかれば遠ざかるほど、充足も幸せも感じられなくなることに気づきました。――『人生の意味』より
自分だけの「テイク」に執着し、孤立を深めていく生き方は、どれほど物質的に豊かであっても心をむしばむ。逆に、誰かのために自分の時間や知恵を分け与える「ギブ」の精神を持ち、ギブ&テイクの調和の中に身を置くことこそが、内面を満たす鍵となるのだ。
「コップを持っている」という僥倖
なぜ私たちは他者を助け、与え合うべきなのか。イノセント・ドリンクス共同創業者のリチャード・リードは、生きていること自体の奇跡と、そのシンプルな目的について温かい視点を提供している。
よくあるたとえで言うと、コップに水が「半分も入っている」か「半分しか入っていない」かではなく、そもそもコップを持っていることに気づくことが大事なんです。
なのに僕らは、なぜ自分は命を与えられたのだろう、と考えがちです。
答えは簡単、お互いを助け合うためですよ。――同書より
老いると、体力や若さの衰えなど、コップの中の「水が減ること」ばかりに目を向け、不安になりがちだ。しかし、そもそも、こうして生きていること自体が、天文学的な確率をくぐり抜けた奇跡的な贈り物なのだ。
老後をむなしいものにしてしまうのは、年を取ることそのものではない。自分のことばかりに目を向け、他者との「与え合う関係」を失ってしまうことなのだ。自分のためにコップを抱え込むのではなく、身近な人を助け、自分にできることを誰かに差し出す。そうしたつながりを持ち続けることが、人生の最後まで、確かな意味と充足をもたらしてくれるはずだ。








