誰の人生にも、ふと立ち止まって自分の生き方を見つめ直す瞬間がある。世界中の著名人に人生の意味を尋ねた『人生の意味――世界のあらゆる一流に教えてもらった105の答え』は、そんなときに開きたい一冊だ。晩年をどう生きるかについて、本書の言葉を紹介する。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)

老後「むなしい余生」になる人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

ギブ&テイクのバランスを取る

 定年退職や子育ての終了を迎え、老後になってふと、むなしい思いを抱いてしまう人は少なくない。肩書や役割を失い、社会とのつながりが薄れる中で、いかにして心豊かな晩年を送るべきか。その問いに対する1つの答えは、「他者と助け合い、お互いに与え合う関係を持ち続けること」である。

 作家であり冒険家でもあるゲイル・ミュラーは、世界中を巡り、富豪から貧困層まで多様な人々の生き方を見る中で、充足と幸せの本質について次のように気づかされたという。

 これまで不幸な億万長者とも、物質的には貧しくても内面は満ち足りて輝くばかりに幸せな人たちとも、仕事をしたことがあります。
 そしていろんな人生のあり方を見るうちに、ギブ&テイクのバランスが取れた状態から遠ざかれば遠ざかるほど、充足も幸せも感じられなくなることに気づきました。――『人生の意味』より

 自分だけの「テイク」に執着し、孤立を深めていく生き方は、どれほど物質的に豊かであっても心をむしばむ。逆に、誰かのために自分の時間や知恵を分け与える「ギブ」の精神を持ち、ギブ&テイクの調和の中に身を置くことこそが、内面を満たす鍵となるのだ。

「コップを持っている」という僥倖

 なぜ私たちは他者を助け、与え合うべきなのか。イノセント・ドリンクス共同創業者のリチャード・リードは、生きていること自体の奇跡と、そのシンプルな目的について温かい視点を提供している。

 僕らの人生は、悠久のなかで生まれ得なかった何十億もの不運な人々がけっして手にすることのできない、奇跡的に希少な唯一無二の贈り物です。
 よくあるたとえで言うと、コップに水が「半分も入っている」か「半分しか入っていない」かではなく、そもそもコップを持っていることに気づくことが大事なんです。
 なのに僕らは、なぜ自分は命を与えられたのだろう、と考えがちです。
 答えは簡単、お互いを助け合うためですよ。――同書より

 老いると、体力や若さの衰えなど、コップの中の「水が減ること」ばかりに目を向け、不安になりがちだ。しかし、そもそも、こうして生きていること自体が、天文学的な確率をくぐり抜けた奇跡的な贈り物なのだ。

 老後をむなしいものにしてしまうのは、年を取ることそのものではない。自分のことばかりに目を向け、他者との「与え合う関係」を失ってしまうことなのだ。自分のためにコップを抱え込むのではなく、身近な人を助け、自分にできることを誰かに差し出す。そうしたつながりを持ち続けることが、人生の最後まで、確かな意味と充足をもたらしてくれるはずだ。