「なぜ、同じように教えているのに、どんどん成長する人と、なかなか成長しない人がいるのか」――部下を持つ人なら、一度は疑問に思ったことがあるかもしれない。実は、成長のスピードを左右するのは、能力や経験だけではない。仕事に向き合うときの、ちょっとした「姿勢」に大きな差がある。では、いつまで経っても成長しない人に共通する特徴とは何なのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その考え方を解説する。

「いつまで経っても成長しない人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

一見、前向きに聞こえるけれど

「教えてくれたらできますよ」
この言葉、一見すると素直で前向きな姿勢に聞こえます。でも実は、成長しない人の典型的な考え方なんです。

仕事を覚えるのが早い人には、共通点があります。
見て覚える、自分で調べる、考えてみる、それでもわからないところだけ聞く。

――この順番で動いています。「まず自分でやってみる」が出発点にあるんです。

一方、「教えてくれたらできます」という人は、最初から人を待っています。
自分で調べようとしない、考えようとしない、とにかく誰かが教えてくれるまで動かない。
この「待ちの姿勢」が、成長の速度を決定的に遅らせます。

教えてもできなかった

以前、ある管理職から「どうしても仕事ができるようにならない部下がいる」と相談を受けました。
その部下は、『教えてくれたらできます』という言葉を何度も口にしていたそうです。

丁寧に教えた。手順を書いたマニュアルも渡した。それでもできない。
なぜか。教わったことをそのまま待って受け取るだけで、自分の中で咀嚼しようとしないからです。

「教わる」ことと「覚える」ことは、実は別のことです。
覚えるためには、自分で考え、試し、失敗する過程も必要です。

その過程をすべて省いているから、いつまで経っても身につかない。

「待ち」の姿勢が染みついている

「教えてくれたらできます」という言葉の裏には、「間違えたくない」「失敗したくない」という気持ちが隠れていることがあります。
だから、自分で試す前に、まず正解を教えてもらおうとするのです。

自分で動いて失敗するより、教わった通りに進めたほうが安心できる。
そんな気持ちが、成長のブレーキになってしまうことがあります。

成長する人は、教えてもらったことだけで終わりません。
「ここまではやってみました」と、自分で一歩先までやってみようとします。
その積み重ねが、大きな成長につながるのです。