子どもの意見が的外れなとき、つい「違うよ」と正解を教えていませんか? 実はその即座の「訂正」が、子どもの考える力を奪っているかもしれません。正解を与えるのではなく、子ども自身に「勘違い」を気づかせるにはちょっとしたコツがあります。子どもの論理的思考力を育て、自ら正解にたどり着くための巧みなサポート術をお伝えします。

子どもの「言語化力」を奪わない親の巧みな誘導術・ベスト1Photo: Adobe Stock

子どもの「的外れな意見」をどう正す?
言語化力を奪わない親の巧みな誘導術

子どもと一緒に本を読んだり、ニュースについて話し合ったりしているとき、子どもの感想が的外れだったり、内容を勘違いしていたりすることはありませんか?

そんな時、親はつい「それは違うよ、本当はこうだよ」と正しい答えを教えたくなってしまうものです。しかし、その即座の「訂正」が、子どもの考える力を奪っているかもしれません。

そこで、子どもの誤認に気づかせ、自ら正解にたどり着くためのサポート術を解説します。

正解を教えるのではなく「道筋」を示す

子どもの意見が明らかにおかしいと感じたとき、親はどのように対応すべきなのでしょうか?

親からの「読んでみてどう思った?」という問いかけに対する子どもの答えが、正解とはほど遠いと感じたらどうすべきでしょうか? 親が「こうじゃないの?」と正解を提示するのではなく、正解にたどりつくための道筋を示してあげるべきです。
――『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』より

これはビジネスにおける人材育成とも共通しています。部下がミスをした際、上司がすべて手直しして答えを与えてしまうと、部下は自分で考えることをやめ、指示待ち人間になってしまいます

家庭教育においても、親がすぐに正解を与えてしまうと、子どもの「試行錯誤する機会」を奪うことになります。大切なのは、答えを教えることではなく、答えにたどり着くための「コンパス」を渡すことです。

一緒に「証拠探し」のプロセスを楽しむ

では、具体的にどのように道筋を示せばよいのでしょうか?

そのままだと正解から離れてしまうと思ったら、親のほうから「じゃあ、この文章のどこを読んでそう思ったのか、教えてくれる?」と声をかけて、一緒に「仮説」を裏づける「検証」を見つける旅に出かけてみるのです。「検証」できる文章が見つからなかったら、「ほかに何か感じたことはないかな?」と訊いてみましょう。
――『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』より

子どもの的外れな意見も、一つの「仮説」として尊重します。そして、「どこからそう読み取ったのか」と根拠を尋ねることで、文章に戻って事実関係を確認する「検証」の作業を促すのです。

この「仮説と検証」のプロセスを繰り返すことで、子どもは根拠に基づいた論理的な思考力を自然と身につけていきます。

自ら「間違い」に気づかせるヒントの出し方

それでも子どもが答えに迷っている場合は、親から少しだけ助け舟を出してあげましょう

それでも「検証」できる文章が見つからなかったり、文章の意味するところを誤解していたりしたら、「お母さん(お父さん)は、この部分を読んでこう思ったけど、どうかな?」などと水を向けてみてください。いずれにしても、子ども自身が「誤認」に気づけるよう、問いかけで誘導してあげるのが理想的であり、基本となります。
――『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』より

親の意見を一つの見本として提示することで、子どもは自分の解釈と親の解釈を比較検討することができます。押し付けるのではなく、「どうかな?」と問いかけることで、最終的な判断は子どもに委ねるのがポイントです。

自らの力で「あ、勘違いしていた!」と気づく経験こそが、本当の理解と深い学びへとつながっていくのです。