図を描くのは紙の上とは限らない
「見えない図」の重要な役割
「図を描く」と聞くと、描くためのペンと、ノートやホワイトボード、もしくはパソコンを思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、実は私たちは日常生活のなかで、紙に描かない図を当たり前のように描いています。
では、次の質問に答えてみてください。
「家から最寄り駅までの道のりを教えてください」
今、あなたは頭のなかで、実際に道を歩いているイメージと同時に、簡単な地図を思い浮かべたのではないでしょうか。わざわざ本物の地図を持ってこなくても、頭のなかの「想像上の地図」だけで道のりを教えることができるのです。
これが、頭のなかの「見えない図」です。
一方で、これから初めて自宅に友人を呼ぶときは、念のために簡単な地図を描いて渡したり、地図アプリのルートをスクショして送信するほうが正確に伝わります。
つまり、実際に「見える図」と、頭のなかの「見えない図」は役割が異なるのです。
・見える図:構造を相手に伝えるための図
・見えない図:構造を自分が考えるための図
ですが、いつでも好きなときに「見える図」を描けるわけではないですよね。
しかし、エレベーターのなかで話しかけられたときや、タクシーで移動中のときにもスラスラ話ができる人は存在しています。
そうです。いつでもどこでも話がうまい人は「見えない図」を描いているのです。
頭の中の見えない図を
話し方に活かす方法
では、話がうまい人が急に話しかけられたときの頭のなかがどうなっているのか、覗いてみましょう。
次のような時系列になっています。
1.話しかけられる
2.頭のなかに「見えない図」を描く
3.「話の構造」が生まれる
4.話し始める
『話のうまい人は頭のなかで「見えない図」を描いている』(高野雄一、KADOKAWA)
話しかけられたら、いきなり話を始めるのではなく、まず、「見えない図」を頭のなかに描くことで「話の構造」を見つけます。すると、話の現在地や、ちょっと未来、相手の気持ちが見えてきます。
また、見えない図は自分しか使いません。
なので、丁寧に、きれいに、正確に描く必要はありません。
おさらいですが、見えない図を描く目的は、「伝えること」ではなく、話し始める前に「構造を考える」ことです。
紙がなくても、ペンがなくても、図を描くことはできます。
まずは、頭のなかで図を描いてみてください。
たったこれだけで、話し方は変わります。
同書より転載 拡大画像表示







