2020年にドル不足が起きた際に設けられた米連邦準備制度理事会(FRB)の緊急資金供給枠(バックストップ)は、これまでほぼ使われていなかったが、本来の設計とは異なる用途、つまり円防衛のための資金調達に活用されようとしている。スコット・ベッセント米財務長官はこのバックストップの規模拡大を求めている。ベッセント氏がFRBに対してその拡大を公に促した翌日の3日、日本はこの制度を利用する計画だと表明した。この仕組みにより、日本政府は円安を食い止めるためのドル資金を調達する際、介入資金を確保するために米国債を売却せずに済む。問題の核心にあるのは、新型コロナウイルス流行時に米国債市場が深刻な機能不全に陥った際に創設された融資プログラムだ。多額のドルを借り入れていた米国外の銀行や企業は資金が急速に枯渇したため、自国の中央銀行に支援を求めた。FRBが設けていた緊密な同盟国向けドル供給ネットワークにアクセスできない場合、明確な資金調達手段は一つしかなかった。それは、すでに吸収能力の限界に達しつつあった市場で米国債を売却することだ。FRBの融資制度は、こうした国々が米国債を担保にしてドルを借り入れることを可能にした。
米財務長官、円の下支えをFRBに求める理由
バックストップ拡大で日本政府は介入資金確保のため米国債を売却せずに済む
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