大企業への就職や出世、高収入、有名大学への進学、結婚、子どもの受験の成功――世間では、それらが「成功」の象徴として語られることが少なくない。しかし、その価値観を追い続けても、本当に幸せになれるのだろうか?『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)では、世間の成功ではなく、自分だけの幸せのつかみ方を指南している。今回は、本書をもとに、ライター・柴田賢三氏に寄稿していただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

本当に幸せになれる考え方・ベスト1Photo: Adobe Stock

飲み会で繰り広げられるキラキラ話

かつての仕事仲間10数人と飲む機会があった。

業界は同じだが、勤務先はバラバラ。年齢も30代から、あと数年で定年を迎える人まで参加していた会合だ。

私はその業界を離れているが、他の人たちは現役バリバリ。話題は最近の仕事のことが中心だったが、子どもの進学問題なども盛り上がった。

いわゆるエリート層が多い業界だけに、みな受験にも熱心で、名門大学に息子や娘が受かったとか、有名な進学塾で全国トップレベルの成績を残しているなど、キラキラした話が続く。

対して、私の娘は受験もせずに地元の公立中学に進学。まだ1年生なので塾にも通わず、部活を楽しんでいる。成績も悪くはないが、飲み会のメンバーたちが名前を挙げるような名門校を将来的に目指す雰囲気もない。

そもそも、私も妻も自慢できる学歴ではないので、彼らのようなキラキラした親に自分たちがなれるとも思っておらず、別世界の話を聞いている感覚だった。

独自路線の先輩の話に心が癒される

隣に座っていた先輩も、子どもたちは、普通の学校を出て独立しているとのことで、みなの聞き役に回っていた。

先輩に「最近は何してますか?」と尋ねると、彼は目を輝かせてこう言った。

「千葉のはずれに小さな畑を買ってね、週末に通って野菜なんかを作ってるんだよ。今年は初めて大玉のスイカもとれたよ」

スマホのアルバムから大きなスイカの写真を探し出し、嬉しそうに見せてくれた。

先輩の話を聞きながら、「幸せの基準って人それぞれでいいんだよな」と心が休まる思いをした。

ベスト1:「世間から見た成功」と「自分にとっての成功」は別物だと考える

停滞した自分を変える指南書『人生アップデート大全』の中には、「『世間の成功』と『自分の成功』はズレている」という項目がある。

著者の池田貴将氏はアメリカの調査を例に、こんな結論を出している。

「自分は興味や大好きなことを追求するのが素晴らしい人生だと思っているけれど、世間はお金持ちになることや何かを達成していることを成功した人生だと思っている。」
――『人生アップデート大全』より

私も、できればキラキラした親になりたいが、それより普通に子育てを終えて畑を楽しむ先輩の生き方に憧れる。

晴耕雨読。晴れた日には先輩のように土いじりを楽しみ、雨の日には池田貴将氏の著書のような書物に触れ、人生のヒントを見つけることができれば、なんと幸せな毎日か。