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個室を希望すれば、差額ベッド代がかかる。少人数の相部屋なら気楽だろうと考えた筆者を待っていたのは、逃げ場のない濃密な人間関係だった。13年間、入退院を繰り返した経験から見えた、大部屋の意外な利点とは?※本稿は、文学紹介者の頭木弘樹『六人部屋の十三年間 病室で出会った忘れられない人たち』(晶文社)の一部を抜粋・編集したものです。
個室を希望すると
差額ベッド代がかかる
初めて入院したときのことから、お話ししてみよう。
最初は個室だった。これは個室を選んだわけではなく、重症だったからだ。重症者は病院のほうで個室にする。当時、私は1日20回以上の血便が出て、熱も高く、意識障害もあった。
しばらくして、症状が少しましになってくると、「このまま個室にいる場合には、差額ベッド代がかかる」と言われ始める。症状が重くて病院側で個室にする場合は差額ベッド代はとられないが、そこまでの症状ではなくなり当人が個室を望む場合には差額ベッド代をとられる。
そのとき、差額ベッド代がいくらだったか覚えていないが、かなりの金額だったと思う。1日1万円とか2万円とかそれくらいだったのではないか。とにかく、大学3年生で20歳の私にとってはとんでもない金額で、とても払えない。まして、いつまで入院するかもわからなかったから。
それで個室は無理ということになり、そうすると「2人部屋にするか、6人部屋にするか」と聞かれた。
2人部屋だと、個室ほどではないが、やはり差額ベッド代がかかる。6人部屋だと差額ベッド代はかからない。







