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難病の治療に使える薬や治療法はある程度決まっていても、その使い方によって結果は変わる。13年間の闘病で多くの医師にかかった筆者は、患者への接し方や検査の選び方にも力量の差を感じたという。名医は、手持ちのカードをどう切るのか?※本稿は、文学紹介者の頭木弘樹『六人部屋の十三年間 病室で出会った忘れられない人たち』(晶文社)の一部を抜粋・編集したものです。
患者を見た目で決めつけ
麻酔や確認検査を省いた医師
難病になって最初の医者というのは、やはり強く記憶に残っている。
それまでもカゼとかで病院に行ったことはあったが、そういうときの医師のことは、まったく記憶にない。やはり、病気の重さによって、医師への認識も変わる。しかし、それだけではない。この医師は、個性を感じずにはいられないような男だった。
当時大学生だった私にこの医師は、「女の子とチャラチャラ遊んでいるような大学生は大嫌いなんだ!」と吐き捨てるように言った。どうして私のことをそう思ったのか、いまだに謎だ。私は茶髪でもなかったし、服装も地味だったし、なにしろ痩せ衰えて、貧血がひどく、高熱を出し、意識がもうろうとしていたのだ。女の子とチャラチャラ遊んでいるような感じは皆無だったと思うのだが。実際、まったく遊んでいなかったし。
そもそも、医師なのだから、当然、大学を出ているはずだし、大学生の中でも医学部はモテる。なぜそんな恨みを抱いているのかがわからない。
しかも、この医師は、なんと自分がまさに「女の子とチャラチャラ遊んでいる」タイプだったのだ。私の診察をしながら、看護師を口説いたりする。
「今度の休み、何してんの?」
「えーっ、何もしてませんけど」
「じゃあさあ──」
などとデートに誘いながら、人の腹を触診したりするのだ。







