残暑厳しい日本で熱中症保険は買いなのか?

年々猛暑日が増え続ける夏場において、急激に人気が高まっている保険がある。それが、熱中症保険だ。では、熱中症保険はどういった保障なのか。また、既存の医療保険や死亡保険では熱中症は保障されないのか。そこで連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿では、それらの詳細について徹底解説する。(保険ジャーナリスト 森田直子)

熱中症は命に関わる疾患
人気急上昇中の「熱中症保険」

 今年の夏も、暑すぎる。

 気象庁のデータによると、東京都では2018年ごろから猛暑日が増加傾向にあり、またここ数年で急激に増えている。下グラフの通り、22年には16日、23年に22日、そして24年では20日を記録した。やはり、ここ数年の暑さは尋常ではない。

 また昨年(24年5~9月)の熱中症による救急搬送者数は9万7578人(前年比6111人増)となり、熱中症による死亡者は2033人(6~9月)を記録した。これは交通事故による死亡者数に匹敵する人数であり、気象庁は、35℃以上となる猛暑日は熱中症による命の危機に関わる状態として警鐘を鳴らしている。そう、熱中症は「命に関わる疾患」なのである。

 また、熱中症の発生場所を見ると、住居内が38.0%と最も多く、次いで道路が19.0%、公衆野外が13.0%となっている。熱中症は室内で起こる比率が非常に高く、自宅内での過ごし方に注意が必要となる。

 そして、そんな猛暑の日本で、ここ数年注目され人気が急上昇しているのが「熱中症保険」だ。だが、この熱中症保険、そもそも加入した方がいいものなのだろうか?また、現在加入している保険は熱中症になったとき、保障(補償)されるのか?

 実は熱中症をカバーする保険にはいくつか種類があり、それぞれに保障(補償)範囲が異なっているので注意が必要だ。そこで、次ページでは、代表的な5つの熱中症保険の保障(補償)内容や特徴について見ていく。