ウクライナの長距離攻撃がロシア国内に戦争を持ち込む中、同国のウラジーミル・プーチン大統領は、自ら「特別軍事作戦」と名付けたこの戦争が、国内でますます不人気になることを懸念しているのだろうか。反戦を掲げる政党「ヤブロコ」について、来月実施される議会選挙への参加資格の剥奪をロシア政府が決めたのはこうした懸念が背景にあるのかもしれない。ヤブロコは、ウクライナでの戦争を「重大な犯罪」と呼び、「停戦、外交、そして平和を!」と訴えてきた。ロシア最高裁は10日、ヤブロコを9月の選挙から排除する決定を下した。政権寄りの政党の一つがヤブロコを著作権侵害で訴えていたことも、同党排除の口実になった。ヤブロコは2003年以降、議会で1議席も獲得していない。ヤブロコが来月に限られた数の議席を獲得したとしても、プーチン氏を追認する機能しかないロシアの下院においては意味がないだろう。しかし、ウクライナがロシア領内の国境から離れた軍事施設やエネルギー施設を攻撃する中、ロシア国民は戦争の痛みを感じ始めている。ヤブロコは国民が不満を表明するための潜在的な政治の受け皿となっていた。