古市憲寿氏 (c)seiji shibuya
「大人になってから友達ができない」「人付き合いが苦手になった気がする」――そんな悩みを抱える人は少なくない。しかし、それはコミュニケーション能力の問題ではなく、子ども時代と大人では人間関係のルールそのものが違うからだという。社会学者・古市憲寿氏が、「コミュ力」に頼らず無理なく人間関係を築くための考え方を解説する。※本稿は、社会学者の古市憲寿『コミュ力不要の社交術』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
大人になると友達を
作りにくいのは当たり前
大人になってから友達を作るのは難しい。よくそんな悩みを聞きます。
でも実はこれって、当たり前のことなんです。
子ども時代を冷静に思い出してみてください。
学校のクラスとは、言ってみれば「同い年の人間を数十人、狭い教室に朝から晩まで、年単位で監禁するシステム」です。
この閉鎖空間で数年間を平穏に生き抜くためには、誰かと徒党を組む(=友達になる)のが最も合理的で、楽な生存戦略です。
つまり、子どもの頃の友達作りは、学校側の用意した人間関係カタログから相手を選ぶ「配給制」だったわけです。そこでは、与えられた環境に順応する能力さえあれば、自然と友達はできました。
しかし、大人の世界は違います。
人間関係は完全に流動的で、「みんな仲良くしましょう」と音頭を取る担任教師はいません。仕事と家の往復をしているだけでは、新たな出会いはゼロ。
大人の友達作りは、自ら街に出て、趣味の場に顔を出し、気の合いそうな人を見つけて声をかける「自由市場」なのです。
つまり子どもが友達を作るのと、大人が友達を作るのでは、必要とされるスキルもルール自体も、全てが異なります。「配給」がなくなった大人が、自分から旅に出ない限り、友達ができないのは当然のことです。







