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「順調です。特に問題はありません」。そう答えた部下が、なぜか目をそらしていたらどうするか。違和感を覚えても、その一度の反応だけで「何か隠している」と決めつけるのは早い。本音に近づくには、普段の表情やしぐさと比べて「何が変わったか」を見る必要がある。※本稿は、コミュニケーション・トレーナーの荒木シゲル『一瞬で人の心を操るマインド・ハック この「表情」「しぐさ」には、誰も逆らえない!』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。
本音を見抜く第一歩は
「いつもと違う」に気づくこと
相手の心が動いたときは、必ずといっていいほど表情やしぐさ、声の調子などに変化が表れるもの。その「わずかな変化」を手がかりとし、タイミングよく会話や行動で働きかけることで、相手の本音に近づくことは十分に可能です。
重要なのは、「自分の表現」を磨くと同時に、「相手の状態を感じ取る力(観察力)」も養うこと。この2つは両輪のようなもので、切り離せない関係にあるのです。「観察力」と「表現力」は、どちらか一方だけでは力を発揮できませんが、片方を磨けばもう一方も自然と高まり、相乗効果を生み出します。
相手の振る舞いを「観察」し、適切な行動で「表現」する。状況に応じてこちらの戦略も巧みに変化させる。そうした実践的なアプローチについて、いくつかのシーンを挙げながら解説していきます。
相手の本音を見抜く際に、まず押さえておくべき基本の「き」とは何でしょうか?
それは――相手の「変化」に気づくことです。
たとえば、あなたが何か質問をしたとき、相手の表情が一瞬曇った、肩に力が入った、あるいは姿勢を直した、視線をそらした――こうした小さな変化は、「心のどこかが反応した結果」と考えることができます。その理由がすぐに特定できるとは限りませんが、「何かが変わった瞬間」にこそ、本音が垣間見える可能性があるのです。
その些細な「変化」に気づくために大切なことがひとつあります。
それは、「変化前の状態」を把握しておくことです。
当たり前のようでいて、これがなかなか難しいのです。
普段の相手がどんな表情をしているか、姿勢や歩き方はどうか、挨拶は丁寧か素っ気ないか――。
そうした日常の「ベースライン」を知らなければ、相手の変化には気づけません。つまり、「本音を見抜く」ことは、すでに相手に会った瞬間、日常の観察から始まっているということです。
一度の反応だけで
部下の本音を決めつけない
こんな場面を想像してみてください。
あなたが、部下に先週指示した仕事の進捗を尋ねたとします。ちょうど昼休み明け、同僚と談笑しながらリラックスしてオフィスに戻ってきたタイミングです。
あなたが「先週お願いした件、進み具合はどう?」と声をかけた瞬間、部下の肩に少し力が入り肩をすくめたように見えました。
この反応から何が読み取れるでしょうか?たとえば以下のような可能性が考えられます。
・うっかり指示を忘れていた。
・まだ完了しておらず、焦っている。
・あなたに対して緊張感やプレッシャーを感じている。
・単にびっくりしただけ。
・体調が悪い、あるいは室温が低くて寒い。
このように、ひとつの変化から得られる「仮説」はいくつもあります。







