発電機事業はキャタピラーの最も収益性の高い部門となっており、ショベルカー(写真)のような建設機械の部門を上回っている発電機事業はキャタピラーの最も収益性の高い部門となっており、ショベルカー(写真)のような建設機械の部門を上回っている
PHOTO: SERGIO FLORES FOR WSJ

 米国の製造業がAIデータセンターの恩恵を受けて活況を呈している。建設機械の キャタピラー や電力機器の イートン 、自動車の フォード・モーター などのメーカーがこの好機を捉えようと事業の軸足を移しつつある。

 米国の製造業活動は先月、新型コロナウイルス禍からの回復が工場生産ブームを引き起こした2022年以来の最高水準に達した。現在はデータセンターとAI関連産業の一部が製造業をけん引しており、メーカー各社はこの機会を生かすべく製品の拡充に数億ドルを投資している。

 キャタピラーのかつては地味だった発電機事業が、電力消費の激しいデータセンター開発業者のおかげで主要な利益源へと変貌を遂げた。同社はインディアナ州の工場で発電機生産を拡大するために7億2500万ドル(約1200億円)を投資している。

 キャタピラーはカンザス州の別の工場を改修し、データセンターで人気のタービンエンジンを生産し始めた。また、2022年を最後に製造が中断されていた10メガワット発電機の生産も再開する。

「当社が出荷数を増やすと、顧客からさらなる供給を求められる」。キャタピラーのジョー・クリード最高経営責任者(CEO)は、第2四半期決算を受けたアナリストらとの電話会議でデータセンターに言及してこう語った。

 エンジンメーカーの カミンズ も既存の発電機事業に注力している。同社は生産拡大に向けて昨年完了した2億ドルの投資に続き、さらに4億5000万ドルを投資している。同社はデータセンター関連売上高が26年から30年にかけて80%増加し、90億ドルに達すると見込んでいる。

 カミンズの発電機は現在、主にデータセンターの予備電源として使用されている。データセンターの旺盛な電力消費により、開発業者は敷地内での発電・蓄電を重視するようになった。カミンズは今春、28年から提供開始予定の大型発電機を発表した。これはデータセンターに集約して一次電源として使用できるもので、130リットルエンジン(米国の平均的な自動車エンジンの約65倍の大きさ)を搭載し、天然ガスを燃料として4メガワットの電力を生産する。

 一方でエコノミストらは、データセンターの建設と設備への積極的な支出により、その規模やコストが需要を上回るリスクが高まると警告している。

 現時点では、多くの企業が慎重に動いている。カミンズの電力システム事業部門を率いるジェニー・ブッシュ氏は、生産を小刻みに拡大し、工場への支出を抑制していると述べた。

「建設が完了した後のことを、誰もが当然ながら心配している」と同氏は語った。「当社は新たに何かを建設する前に、既存の設備をできる限り活用しようとしてきた」