部下に話しかける上司のイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

「最近の部下は扱いにくい」と感じている管理職もいるでしょう。しかし、部下の問題行動には上司の接し方が影響することもあります。約20年にわたり、500社以上の企業で管理職育成に携わってきた前川孝雄氏(FeelWorks代表取締役・青山学院大学兼任講師)が、部下をダメにする上司の共通点を解説します。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

「問題のある部下」は
本当に最初から問題社員だったのか

 管理職の方から話を聞いていると、「最近の部下は難しい」という声をよく耳にします。

 自分のやりたい仕事しかやらない。周囲に協力しない。権利を強く主張する。上司から見ると「どう扱えばいいのかわからない」と感じる社員もいるでしょう。

 働き方改革や多様な働き方が広がり、管理職の仕事が難しくなっているのは事実だと思います。

 労働時間、休暇、育児や介護との両立、ハラスメントへの配慮など、管理職が考えなければならないことは増えました。ジョブ型雇用の考え方が広がれば、「これは私の仕事ですか」というように、仕事の範囲について社員が明確な線を引こうとする場面も出てきます。

 ただ、だからといって「最近の社員はモンスター化した」と部下だけに原因を求めてしまうのは危険です。

 私は、上司の関わり方によって、もともとは意欲のあった部下が徐々に何も言わなくなったり、仕事に対して受け身になったりすることもあると考えています。

 特に重要なのが、部下が自分と違う意見を出してきたときです。

 上司に意見を言うのは、部下にとってかなり勇気がいることです。

 まして、「上司はこう考えているだろうな」とわかっているのに、それとは違う意見を口にするのは簡単ではありません。

 そのとき、上司がどう反応するか。

 たった一度の反応でも、「この上司には何を言っても無駄だ」と学習させてしまうことがあります。

 私自身も、かつて管理職になったばかりの頃、この失敗をしました。

 30歳のとき、会社から派遣されてビジネススクールで学び、頭の中にさまざまなフレームワークや理論を詰め込んで職場に戻りました。そして、すぐに管理職になりました。

 すると、部下の話を聞いていてイライラするようになったのです。

「論点を3つに絞ってくれ」「もっとロジカルに話してくれ」と思う。会議がまとまらなければ、自分でホワイトボードの前に立って整理し、「じゃあ、これでいこう」と答えを出していました。

 私はそれが「良いマネジメント」だと思っていました。しかし、半年ほどでチームはうまく回らなくなり、崩壊しました。

 では、部下をダメにしてしまう上司は、どんな一言を口にしているのでしょうか。