本当の「地頭の良さ」を試す問い、それが論理的思考問題だ。知識や難しい計算は不要で、「考える力」さえあれば解ける問題を指す。論理的思考問題を紹介したビジネス書は、ビジネスパーソンはもちろん、小学生や中学生も夢中になり、学校で話題になるほどだ。本稿では、そんな論理的思考問題を1問紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
※本稿は、野村裕之著『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』の一部を引用・編集して作成した記事です。

「地頭がいい子供たち」が夢中になっている異例のビジネス書で紹介されている“たった1つの問い”とは?Photo: Adobe Stock

「地頭の良さ」を見抜く問いとは?

「本当の地頭の良さ」

それを見抜くのに最適な問いが論理的思考問題です。

知識や難しい計算は必要とせず、問題文を読んでじっくり考えれば、誰でも答えを出せる。
まさに「じっくり考える力」だけが問われる問題です。

そのため、小学校や中学校の受験問題としても出題されています。

法則の攻略法を見抜けるか?

たとえば、こんな問題です。

シュレディンガーの猫

1~5の番号が書かれた5つの箱がある。
箱は1,2,3,4,5の順で一列に並んでいる。
この箱のどれか1つに猫が隠れており、夜になるとかならず、1つ隣の箱に移動する。
朝になったとき、あなたは1つだけ箱を調べて、そこに猫がいるかどうか確認できる。

どうすればあなたは、猫を確実に見つけられるだろうか?

問題「シュレディンガーの猫」画像
――『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』より(イラスト:ハザマチヒロ)

……無理難題感。

猫は1日1回移動するのに、調べられる箱は1日1つだけ。
順番に調べたとしても、昨日調べた箱に猫が入れ違いで移動してくる可能性とか、まだ調べていない箱をずっと往復している可能性とか、考え出したらキリがありません。

そんな永遠のイタチごっこに、解決策はあるのでしょうか?

一緒に考えていきましょう。

状況を「単純に」できないか?

この問題では、まず状況を「単純化」することが有効です。

猫が隠れている箱は、5つ。
つまり、可能性は5通り。

この状況を、もう少し単純にできないか考えてみます。

たとえば、5つの数字は「偶数か、奇数か」に分けられます。

そう考えると、猫が1日目に隠れている箱の番号は、「偶数か、奇数か」の2通りに絞ることができます。

もし猫が、1日目に「偶数」の箱にいたら?

選択肢が絞れたら、次は「場合分け」を使って考えてみましょう。

複数の可能性が考えられるときに、その可能性を「いくつかの場合に分けて考える」ことです。

まず、「猫は最初の日に偶数の箱にいる」と仮定します。
つまり、2番か4番です。

そこで1日目は2番を調べます。
もし猫がいればそこで終了です。
いなければ、猫は4番にいます。

そこで2日目は3番を調べます。
猫が4番から3番へ移動していれば、ここで見つけられます。
しかし、もし5番へ移動していた場合は、まだ見つかりません。

そこで3日目は4番を調べます。
2日目に5番へ移動していた猫は、この日は必ず4番に移動しているため、ここで確実に見つけられます。

つまり猫が最初に偶数の箱にいた場合は、「2→3→4」の順に調べれば、遅くとも3日目までには必ず見つけられます。

1日目に「奇数」の箱にいた場合はどうなる?

では、猫が最初の日に「奇数の箱」にいた場合はどうなるでしょうか。

「2→3→4」の順で調べても、猫は見つかりません。

といっても、新しく考え直す必要はありません。

猫が最初の日に「奇数の箱」に隠れていた場合、猫は毎日夜になると隣の箱へ移動するため、2日目は偶数、3日目は奇数の箱にいます。

つまり、1日目に「2」の箱、2日目に「3」の箱、3日目に「4」の箱を調べても猫がいなかった場合、3日目の時点で猫は「奇数の箱」に隠れています。

したがって、翌日の4日目には、猫は必ず偶数の箱にいます。

そこで、「猫が偶数の箱に隠れている場合」と同じ戦略を、もう一度使えばよいのです。

つまり4日目から、「2→3→4」の順で調べていけば、遅くとも6日目までには必ず猫を発見できます。

ということで、「2→3→4→2→3→4」という順番で調べれば、猫がどの箱に隠れていたとしても、確実に猫を見つけられます。

なお、箱の並びに左右の区別はないので、「2→3→4」の順序は逆でも問題ありません。

「2→3→4→4→3→2」
「4→3→2→2→3→4」
「4→3→2→4→3→2」

いずれの順番で調べても、同じように成功します。

正解

「2→3→4→2→3→4」の順に箱を調べれば、遅くとも6日目までに猫を確実に見つけられる。

まとめ

一見すると捕まえられそうにない猫でも、動きに規則がある以上、その規則を利用すれば必ず見つけられます。

今回の問題では、「単純化」や「場合分け」という考え方を組み合わせることで、複雑だった状況が少しずつ整理されていきました。

現実の問題でも、最初からすべてを考えようとすると混乱してしまいます。

そんなときは、条件を簡単にしたり、場合を分けたりすることで、本質が見えやすくなります。

ちなみにこの問題は、GoogleやMicrosoftなど世界的なIT企業の採用試験でも使われたことで知られています。

複雑な状況を整理し、法則を見つけ出す力が、実社会でも重要視されていることがわかる一問です。