米実業家マーク・ウォルター氏は2012年、スポーツ界を驚愕(きょうがく)させる巨額買収を成し遂げた。金融業界以外ではほとんど無名だった投資会社グッゲンハイム・パートナーズの最高経営責任者(CEO)が、米大リーグ(MLB)屈指の名門ロサンゼルス・ドジャースを買収する資金をどのように調達したのか、裕福な競合入札者たちも首をかしげるばかりだった。今やウォルター氏と、年間を通じて展開する同氏の国際的スポーツ王国を知らない有力者はほとんどいない。自身が支配する保険会社からの融資によって他の投資資金を賄うという同氏の手法は現在、当局の捜査・調査対象となっている。ドジャース買収後の数年間、ウォルター氏は米女子プロバスケットボール(WNBA)のロサンゼルス・スパークス、サッカーのイングランド・プレミアリーグ強豪のチェルシー、フォーミュラワン(F1)のレーシングチームの株式を取得し、北米の女子プロアイスホッケーリーグ(PWHL)への資金提供も行った。また、米音楽プロデューサーのデービッド・ゲフィン氏が所有していた、カリフォルニア州マリブのビーチハウス(8500万ドル=約136億円)などの高級不動産を取得したほか、米プロバスケットボール協会(NBA)のロサンゼルス・レイカーズのスーパースターだったアービン・「マジック」・ジョンソン氏や、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの投資ファンド、ムバダラ・キャピタルなどのビジネスパートナーを集めた。
ドジャースオーナーを連邦捜査に引き込んだ「隠れ取引網」
捜査・規制当局からの圧力を受け、ウォルター氏は投資を解消し、自身のスポーツ・金融帝国を守ろうと奔走している
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