スコット・ベッセント米財務長官は19日、資金投入に見合うだけの成果を得た。最長期国債の買い戻し規模を40億ドルに倍増するとの決定を受け、30年物米国債利回りは0.1ポイント急低下した。これは過去1年間で最大の1日当たりの値動きであり、株式市場のレバレッジ(信用取引)がかかった分野にも火をつけた。しかしベッセント氏がやっているのは表面的な調整に過ぎない。長期利回りは、放漫財政、人工知能(AI)をめぐる空前の設備投資ブーム、そして地政学的圧力という有害な組み合わせを背景に上昇傾向をたどってきた。17日、30年物米国債利回りは世界金融危機前以来の高水準に達した。ベッセント氏がこれまで利回り抑制に努めてきたにもかかわらずだ。10年物米国債利回りは2023年終盤に付けたパニック的な水準である5%近辺をまだ下回っているものの、これは安心材料にはならない。翌日物金利の影響を取り除くために、5年後から始まる5年間のインフレ調整済み「実質」利回りを見ると、今年は2009年以来の高水準に達している。