悩まない人の「頭の中」では何が起こっているのか? いま英語、ドイツ語、スペイン語、オランダ語、ロシア語、イタリア語など世界中から翻訳オファーが殺到している木下勝寿氏の『「悩まない人」の考え方――1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』から「詐欺被害に遭ってもすぐ立ち直る人の習慣」をライター柴田賢三氏がレポートする。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

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SNSで偽の仮想通貨を買わされた

 先日、田舎に帰省した際、兄の元気がないことに気づいた。
還暦を過ぎたじいさんだから、普段から元気はつらつとしているわけではないが、妙に様子がおかしい。

 二人きりになったときに探りを入れると、義理の姉、つまり兄の嫁さんが詐欺被害に遭って困っているという。

最近、流行りのSNSで誘導されて偽の仮想通貨を買わされるタイプの詐欺に引っかかり、数百万も振り込んでしまったというのだ。

 兄が詐欺と気づいて、すぐに警察に駆け込んで被害届は受理されたものの、「金の回収は難しい」と言われたそうだ。

本人を責めることなくサポート

 まだ会社勤めをしている兄は「老後資金の一部を失ったけど、これからはさらに生活費を切り詰めて蓄えを戻すしかない」と、うなだれていた。

 義理の姉も、「少しでも老後資金を増やしたい」という一心で騙されているのだから、一方的に責めるのもかわいそうだ。
兄も、すでに独立している甥や姪も、一番ショックを受けている本人の精神的なケアを優先しているようで、そこだけは安心した。

「北の達人コーポレーション」の社長・木下勝寿氏の著書『悩まない人の考え方――1日1つインストールする一生悩まないスキル30』の中に、創業当初に120万円の取り込み詐欺に遭ったエピソードがある。

詐欺師たちが憎くてたまらなかったし、詐欺を見抜けなかった自分にも腹が立った。
とはいえ、この感情は1時間も持続しなかった。それは当時の私がすでに「起きている出来事」と「その解釈」とを切り分ける思考アルゴリズムを持っていたからだろう。

――『悩まない人の考え方』より

あなたを救う「魔法の9文字」とは?

 木下氏は、大きく成功している起業家たちは、かなりの割合でこうした被害に遭っていると指摘。事業規模が100倍に成長した後で被害に遭っていれば、もっと莫大な損失が生まれていたかもしれないと考え、“人生の貴重な授業料”と考えれば安いものだと書いている。まさに魔法の9文字だ。

 この考えをあてはめれば、兄の家族も「まだマシ」と言えるかもしれない。
兄も義理の姉も、まだ定期収入のある仕事に就けているし、甥や姪もしっかりとした勤め人だ。自宅のローンも完済しているし、明日から食うに困るようなことはない。

 こうしたケースでは、被害に遭った本人を家族が責め立て、一家離散に至るケースもあるが、兄の家族は寄り添って乗り越えようとしている。

 年末に帰省する際は、木下氏の著書を土産に持って帰ろう。