部下との面談を時間で区切ってはいけない
そしてもう一つのポイントは、面談を時間内に終わらせることを目的にしないことです。本気で部下の話を聞こうとすれば、1時間では足りません。納得できなければ、翌週も、その次も続きを話してもらえばいい。私自身は、部下と月に一度、2時間ほどかけて話します。週に一度、1時間ずつという同僚もいます。
業務時間内で難しければ、続きは飲みながら、ということもあります。賛否はありますが、適切な「飲みニケーション」は、こうした対話の場を補うものにもなり得ます。会議室で真剣に話したあと、ビルの1階の立ち飲みバーに移って続きをやると、部下の肩の力が抜けて、本音が出やすくなる。場所を変えるだけで、話す内容は変わってくるのです。
誰しも、過去の経験に基づいて一早く答えを出したくなります。その衝動をぐっと抑え、経済合理性はいったん脇に置き、目の前の部下に100パーセントの関心で向き合う。それはめぐりめぐって部下との関係を良くし、チームのマネジメントの向上にもつながるのです。
重要なのは、部下が、「最後まで自分に真剣に向き合ってくれた」と感じられること。部下はそう感じられれば、「有難うございました、こうすればいいんですね」と、何か腑に落ちたという感じで帰っていくのです。
近年よく聞く「部下の主体性を引き出すマネジメント」も、根底にはこの対話があります。部下の主体性を引き出すとは、こちらが答えを与えなくても、部下自身が自分の考えを整理し、次の行動を見つけていける、そういう状態をこちらがつくることなのだと思います。
※1, 2
Rogers, C. R. (1957). The Necessary and Sufficient Conditions of Therapeutic Personality Change. Journal of Consulting Psychology, 21(2), 95–103.
自己一致は自分が実際に感じ、経験していることと、自分自身についての認識(自己概念)が一致している状態。「自分の経験を意識できている」「自分自身であり、仮面をかぶらない」「経験を否認・歪曲しない」ことが重要であると説明されている。その後、ロジャーズ派の研究者たちは「自己一致とは自分の反応を意識し、それに支配されずに治療に活かすこと」と説明を敷衍している。








