50代で「職場で孤立する人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

あなたの職場には、「孤立している」と感じるベテランはいないだろうか? 誰からも頼られず、誰かを頼ることもない。そんな「孤独感」が漂う存在だ。頼られるベテランと、周囲から浮いてしまう人は、いったい何が違うのだろうか。本記事では越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』をもとに、その答えを解説する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

50代で「職場で孤立する人」の特徴・ワースト1

「あの……すみません、少し困ったことが発生しまして」

部下がどこか怯えたような表情で、トラブルの報告にやってくる。

そんなとき、あなたは第一声で何と言っているだろうか。

「は? なんでそんなことになったの?」
「前にも注意したよね? どうして指示通りやらなかったの?」

長年の経験と責任感ゆえに、つい反射的に強い口調で部下を問い詰め、責め立ててしまう。

本人は「上司として厳しく指導している」「問題の原因を追及している」つもりかもしれない。

しかし、残念ながらこの第一声こそが、自分自身を職場で孤立させる最大の原因だ。

感情的に詰め寄られる部下からすれば、「この人に悪い報告をすると怒られる」「なるべく関わりたくない」と恐怖心を植え付けられるだけである。

その結果、周囲から人が離れていき、大事な情報すら耳に入らなくなる。

気づいたときにはチーム内で完全に浮き上がり、誰からも相談されない「孤立したベテラン」へと追いやられてしまうのだ。

責める態度が「情報の隠蔽」と「孤立」を生む

『会社から期待されている人の習慣115』には、部下を責める上司が陥る残酷な現実が書かれている。

悪い報告を「責める」文化のあるチームは、問題の隠蔽リスクが2.3倍も高いと判明しています。
 

その結果、問題に気づいたときにはすでに事態が最悪の状態になっていて、対応に多大な時間と労力が必要となります。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

「怒られたくない」という心理から、部下は悪い情報を限界まで隠すようになる。

トラブルは早期に対処しなければ、発生から2時間経過するだけでその後の対応時間が3倍以上に膨れ上がってしまう。

最初の一言で部下を詰めてしまう人は、自らの手で「手遅れになるまで報告が上がってこない環境」を作り出し、致命的なトラブルの渦中で一人孤立していくことになるのだ。

周囲から慕われる人は、開口一番に「感謝」を伝える

一方で、50代になっても周囲から絶大な信頼を集め、部下から次々と相談が持ち込まれる優秀なリーダーの行動パターンは全く異なっていた。

彼らはどんなに深刻な問題であっても、絶対に部下を責めず、まずは「報告してくれたこと」そのものを認めていたのだ。

期待されているリーダーの63%は、部下が悪い報告を持ってきたとき、まず「認める」発言をするようにしているとわかりました。これは一般リーダーにおける比率の4.8倍です。
さらには、内容がどれだけ深刻でも、部下を責めないように意識していました。

(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

その効果は、数字にも表れている。

トラブル対応に悩むリーダー312名に「悪い報告への第一声を“ありがとう”にする」習慣を2か月実践してもらったところ、79%が「報告の初動が上がった」と回答しました。
さらには、56%が「些細なことでも相談してくれるようになった」と、61%が「チームの雰囲気が明るくなった」と回答しました。

(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

経験や知識を誇示して「なんで?」と部下を責め立てる人は、周囲から恐れられ、遠ざけられ、やがて職場で孤立していく。

逆に、悪い報告にこそ「教えてくれてありがとう」と返せる包容力を持った人こそが、50代になっても周囲から深く慕われ、組織の中心で輝き続けるのである。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。