勝手を知ったるベテランが、慣れた手つきでその仕事やトラブルをパパっと処理する。それは、その瞬間だけを切り取れば手っ取り早く効率もよい。
しかしながら、その効率性と安定は実は脆く、個人とチーム双方にさまざまなデメリットとリスクをもたらしているのです。
それでも人が仕事を
属人化させたがる理由
そうはいっても、人は自分に仕事を属人化させたがる生き物です。
なぜなら、自分に属人化した知識や技術は自分の存在証明でもあり、「やりがい」「誇り」の拠りどころでもあるからです。
仕事に対する責任感やプロ意識が高い人ほど、職場に対するエンゲージメントが高い人ほど、属人的なノウハウをたくさんもっている側面もあります。そう考えると、属人化とは一概に悪いものでもないのです。
『定時で成果 残業ゼロでも目標を達成するチームづくりの教科書』(沢渡あまね、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
ある程度の属人化はよしとしていかないことには、仕事そのものが無味乾燥な作業にしかならず、メンバーはやりがいや誇りを持って取り組むことができないでしょう。
プロとしてのキャリアを形成することができなくなると、キャリア不安をメンバーにもたらしかねません。なんでもかんでもマニュアル化すればいいものではない、というのはキャリアの面においてもいえるのです。
また自分の仕事を標準化され、引きはがされてしまったら自分の仕事がなくなってしまうのではないか。そのような不安を抱える人も少なくありません。
不安はやがて抵抗や攻撃に形を変えます。意地でも仕事を手放そうとしない、または「この仕事は特殊だから標準化できない」などの言い訳を本人にさせてしまう。いつまでたっても仕事の効率も上がらない。
だからこそ、管理職はメンバーに対して「次に取り組んでほしい」仕事や「次のテーマ」を設定し動機づけをしていく必要があります。







