デスクに突っ伏して眠る男性写真はイメージです Photo:PIXTA

売上など、目に見える成果は評価しやすい。一方で、そればかりを追えば、将来の成果につながる改善や企画、調整といった重要な仕事ほど報われなくなってしまう。組織を弱らせないために、管理職は何を評価すべきなのか。※本稿は、作家の沢渡あまね『定時で成果 残業ゼロでも目標を達成するチームづくりの教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

「無駄な頑張り」こそが
成果につながらない残業の正体

 メンバーに「正しく」頑張ってもらう。そのための評価や動機づけも、管理職の大事な仕事です。

 ここでの「正しく」とは、組織やチームの理想(いままで気づかなかった「意外な理想」も含む)に沿っている状態を意味します。

 どんなにメンバーが頑張っていても、それが組織やチームが求める方向と違っていては「無駄な頑張り」になってしまいます。時間も労力ももったいない。

 そして、その「無駄な頑張り」こそが、成果につながらない残業の正体です。

 また、「効率ゾーン」と「探索ゾーン」のバランスも大事です。皆が効率ゾーンの、既知の仕事ばかりに集中していては、未知のテーマや課題はいつまでたっても取り組まれないでしょう。

 逆に、探索ゾーンばかりに時間が偏ると、既知の仕事が滞り、それが締め切り前の追い込み残業を生みます。

● 組織やチームの方向性と、メンバーの頑張りの方向性があっているか?
●「効率ゾーン」「探索ゾーン」、いずれかにチームの頑張りが集中しすぎていないか?

 これらを自問して、チームをドライブできるようにしていきましょう。

 そして、管理職は、チームにとって望ましい行動を誘発および持続するために、メンバーをよく観察しながら、適切な評価と動機づけを仕掛けていく必要もあります。

 ひとことで評価といっても、その対象も表現方法も様々です。また、なんでもかんでも人事評価の対象にすればよいというものでもありません。

 メンバーによっては、大げさな評価に対して気後れしたり、「別に高評価を得たくてやっているわけではない」など不快な気持ちになる人もいます。それでは本人にとって逆効果です。

適切な評価と動機づけで
不要な残業が減っていく

 評価の設計は、残業削減の土台です。適切な評価と動機づけは、メンバーが「正しい方向に自律的に動く」状態をつくります。それが実現したチームは、管理職が逐一指示しなくても仕事が回り、不要な残業が自然と減っていきます。

 管理職のあなたがメンバーのなにを評価するか、そしてどのように評価するか。

 全社で定められた人事評価制度そのものを現場のイチ管理職がいじることはできないでしょう。ここでは管理職の所掌範囲内でできる、チームレベルでの評価と動機づけの仕方を考えます。

 人事評価や人事考課において、一般的に次の4つが主な評価対象となるでしょう。

(1)成果
(2)変化(プロセス)
(3)能力
(4)行動特性(コンピテンシー)