「最近、友人から誘われることが減った」「家族との会話が、以前より少なくなった」――年齢を重ねるなかで、そんな変化を感じる人もいるかもしれない。人間関係が遠のく理由はさまざまだが、実は、日々の何気ない「時間の使い方」が原因になることもある。では、将来、気づかないうちに周囲から距離を置かれてしまう人には、どんな特徴があるのだろうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』の内容をもとに考えてみよう。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「忙しい」が理由になるのか?
「最近、友人から誘われなくなった」
「家族といても、以前ほど会話が弾まない」
そんな変化に気づいたとき、「忙しいから仕方がない」と思う人は少なくない。
仕事、連絡、急な頼まれごと。
毎日は次々と予定で埋まっていく。
すると、家族と食事をする時間や、友人に連絡する時間、一人で心を休める時間まで、「余裕ができたら」と後回しになりやすい。
もちろん、目の前の責任を果たすことは大切だ。
しかし、いつでも仕事や他人からの依頼を優先していると、自分にとって大切な人との関係を育てる時間は、少しずつ失われていく。
人間関係は、会いたいと思っているだけでは続かない。
忙しいなかでも、誰とどんな時間を守るのかを、自分で決めておくことが必要である。
何を優先するかをあらかじめ決める
そのヒントになるのが、次の考え方だ。
そんなときに役に立つのが、「交戦規定」と呼ばれる行動ルールを採用することだ。
これは戦場の指揮官が生死に関わる重要な決定を速やかに下すためのもので、戦闘中に意思決定を下すための基準となるルールのことだ。指揮官は、自らの部隊が敵の攻撃を受けた場合、それに相応した対応をしなければならない。
たとえば、村に立てこもった1人の狙撃兵から、部隊が攻撃を受けたとしよう。この場合、その狙撃兵に対抗するために村全体に大量の爆弾を投下するのは適切ではない。指揮官は、狙撃兵とその地域にいる他の戦闘員のみを標的にした、限定的な作戦を講じるべきだ。こうした規則を定めているのが、交戦規定である。
この規則には、捕虜の扱い方や、使用できる武器の種類、武力紛争で発生する他のストレスの多い状況への対処策などが規定されている。
軍隊の比喩を過度に使うのは好ましくないことだとはわかっている。だが日常が戦場のように慌ただしい現代人にとっては、このルールから、あらかじめ状況に応じてどう行動するかを決めておくと便利だということがわかる。
(~中略~)
他には、たとえば毎晩家族との夕食の時間を大切にしているのなら、これを他の誘いよりも優先させるというルールをつくろう。
家族と夕食をともにする習慣がない人は、毎晩散歩しながらポッドキャストを聴くなど、1日の疲れを癒やす時間を何よりも優先させるルールをつくろう。
この時間帯に何か他のことが起こったとしても、優先順位は明確になっているので、対応に迷う必要はなくなる。
将来、身近な人とのつながりを薄くしてしまいやすいのは、仕事や目先の用事に流され、自分にとって大切な時間を後回しにし続ける人である。
「忙しいから、また今度」「落ち着いたら、こちらから連絡しよう」
そう思っているうちに、家族との会話は減り、友人との関係も少しずつ遠のいていく。
相手もまた、自分の生活を送っている。会う時間も、連絡を取るきっかけも、何もしなければ自然に生まれるものではない。
だからこそ、「時間ができたら大切にする」のでは遅い。
たとえば、夕食中はスマホを見ない。週に一度は親や友人に連絡する。
疲れをため込まないために、夜の一定時間は予定を入れない。自分にとって守りたいものを、具体的な行動として決めておくことが大切だ。
すべての誘いや頼みごとに応える必要はない。
むしろ、何にでも応じていると、本当に大切にしたい人や時間のための余白まで失ってしまう。
目の前の用事をこなすことだけで一日を終えず、誰とどんな時間を過ごしたいのかを考えてみよう。
その時間を先に確保する小さな決断が、これから先の人間関係を守ることにつながっていく。






