「幸せになりたい」と思っていても、「自分にとって何が幸せなのか」と聞かれると、意外と答えに詰まるものだ。収入を増やす、仕事で結果を出す、周囲から認められる――そうしたわかりやすい成功を追いかけるうちに、自分が本当に心を動かされる瞬間を見失ってしまうこともある。では、自分にとっての幸せをきちんと掴み取れる人は、何が違うのだろうか。『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』の内容をもとに、そのヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

幸せを「必ず」掴み取れる人の特徴・ベスト1Photo: Adobe Stock

「自分の心」に従っているか?

「自分は、何をしているときが一番楽しいだろう」
そう聞かれて、すぐに答えられる人は意外と少ない。

仕事では、求められることをこなす。
家では、家事や家族の用事を優先する。
休日も、「せっかくなら役に立つことをしよう」と考えて、勉強や運動など、自分のためになりそうな予定を入れる。

もちろん、誰かの役に立ったり、将来のために努力したりすることは大切だ。
しかし、そればかりを優先していると、「自分が本当に楽しいと思えること」が、いつの間にか後回しになってしまう。

幸せになるためには、もっとお金が必要だ。
仕事で成功しなければならない。
周囲から認められなければならない。

そう考えていると、自分の外側にあるものばかりを追いかけてしまう。
けれど、何をすれば幸せを感じられるのかは、人によって違う。

誰かにとっては、人と集まって何かをすることかもしれない。
新しい場所へ出かけることかもしれない。
ものをつくったり、難しいことに挑戦したり、一人で好きなことに没頭したりすることかもしれない。

だからこそ大切なのは、世間で「幸せ」とされているものを追いかけることではなく、自分が本当に楽しいと思えることを知り、それに従って行動することだ。

では、自分は何をしているときに、本当に心が動くのか。

自分が「喜びを得る方法」を知る

それを知るためのヒントになるのが、次の考え方だ。

あなたは、「何が自分を幸せにするか」を直感的にわかっているかもしれない。しかし、過去のさまざまな経験を振り返ってみるのも悪くない。まず、「生きていることを実感できた瞬間」のリストをつくろう。最近のことでも、はるか昔のことでもかまわない。
(~中略~)
自分のリストができたら、その経験に共通する要素を探してみよう。私の場合は、次のようなものが見つかった。
・喜び
・チャレンジ
・人を幸せにする
・何かをつくる
・大胆であること
これらの要素は、私が「生きている」ことを実感した過去の体験のいくつかと直接的に結びついている。たとえば、イベントの開催には大変な労力が必要だが、うまくいけば人々を幸せな気分にさせられる。
また、これらの要素には、他人のために何かをすることとは無関係のものもある。私は旅を楽しんだが、それは誰かのために役に立ちたいからそうしたわけではなかった。自分のために、1人で考え、実行したことだ。
つまり、私が「生きている」と実感した経験には、社会に役立つことや、他人との結びつきとは無関係のものもある。私の場合、生きていることを実感するのは、外の世界よりも自分の内側を見つめることに関係していることが多い。

――『人生は気づかぬうちにすぎるから。「自分第一」で生きるための時間術』より

大切なのは、「一般的に幸せとされているもの」を手に入れることではなく、自分にとって何が幸せなのかを知ることだ。
その答えは、意外と自分の過去のなかに隠れている。

時間を忘れるほど夢中になったこと。思い切って挑戦してよかったこと。
誰かと過ごして心から楽しかったこと。一人でも「やってみたい」と思って行動したこと。

そうした「生きている」と実感できた瞬間を振り返ってみると、自分が本当に大切にしたいものが少しずつ見えてくる。
そして、それがわかったら、あとは日々の選択のなかで、その時間を少しずつ増やしていけばいい。

必ずしも、人の役に立つ必要はない。将来の仕事につながらなくても、お金にならなくてもいい。
「楽しいからやりたい」という気持ちも、人生の時間を使う十分な理由になる。

幸せを遠くにある大きな目標として追いかけるのではなく、自分の心が動く方向を知り、そこに向かって実際に行動する。
その積み重ねが、自分にとっての幸せに近づく一番確かな方法なのではないだろうか。