現代物理学の扉を開いたのがドイツの物理学者マックス・プランクだ。彼はエネルギーは「1セント硬貨」のようにそれ以上細かく分けられない最小単位=「量子」として受け渡されていることを発見した。プランクが導き出した公式と、量子論を用いると、謎に満ちた電子のふるまいが明らかになる。物理学の歴史を塗り替えた思考のプロセスを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から解き明かす。

量子のイメージPhoto: Adobe Stock

プランクの理論

ドイツの物理学者マックス・プランクは、赤熱した物体から発せられる電磁波の測定データに基づいて、電磁波は粒子のようにも振る舞うことを発見した。
電磁波が小さな塊として発せられることに気づき、その塊を量子(りょうし)と名付けた。

量子は、電磁波の形で放射・吸収される最小のエネルギー量である。

単純なたとえ:何かを買うときには、必ず決まった通貨単位のお金を払う。キャンディーバー1本の値段を89セントとしよう。付加価値税(消費税)が7%だとすると、0.0623ドル、つまり約6と1/4セントの税金が上乗せされる。しかし、1/4セントなんていう中途半端なお金を渡すことはできない。

量子は1セント硬貨のようなものだ。アメリカで使えるもっとも額面の小さい硬貨は、1セント硬貨である。1/2セントなどというお金を渡すことはできない。それと同じように、量子1個よりも小さいエネルギーをやり取りすることはできない。

男性のイラスト

量子の大きさは?

プランクは量子1個のエネルギーを次の式で表した。

計算式

プランク定数は、電磁波の量子1個分のエネルギーと、その電磁波の振動数とを関係づけている。

ジュールはエネルギーのSI単位。

光速度cを用いると、ν = c/λなので、上の式は次のような形になる。

計算式
λは波長(ラムダと読む)。

光速度はc = 3×10^8 m/s

原子やそれより小さいレベルの物質やエネルギーを研究する学問を、量子論という。量子論を用いると、電子がどのように振る舞うかを明らかにして、予想することができる。

重要! 量子論によれば、エネルギーは必ずhνの整数倍の量で放出される。たとえばhν, 2hν, 3hνという量では放出されるが、1.96hνや3.2hνという量では放出されない。