毎日の食事は、その場の空腹を満たすだけのものではない。何を食べ、何を避けるかという小さな選択の積み重ねは、数十年後の身体にも影響を及ぼす。医師で老年医学の専門家であるガブリエル・ライオン博士は、著書『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』で、若いうちから意識すべき栄養の重要性を説いている。老後も健康で自由に動ける身体を保つために、どのような食生活を心がければいいのだろうか。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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若いうちから「タンパク質摂取」を心がける
老後の生活の質(QOL)を大きく左右するのは、日々の暮らしの中で無意識に繰り返している食習慣だ。
若い頃は、多少食生活が乱れていても、その影響を実感する機会は少ないかもしれない。しかし、40代、50代と年齢を重ねていくほど、毎日の食事に何を選んできたかが重要になってくる。
だからこそ、年をとってから後悔しないために避けたいのが、「体に必要な栄養をおろそかにする食生活」だ。
多くの人は、年齢による筋肉の減少を「高齢になってから始まるもの」と誤解している。しかし、医師で老年医学の専門家であるガブリエル・ライオン博士は、肉体の崩壊を防ぐための栄養管理は、30代からの早期介入が決定的な差を生むと指摘する。
このことからも、若いときに適切なタンパク質摂取について学び、実行することが大事だとわかる。
しかも、ロイシンに富むタンパク質を食事に追加すると、血糖値の安定にも役立つことが研究によって明らかになっている。――『筋肉が全て』より
若いうちから適切なタンパク質摂取を意識することは、年齢を重ねても筋肉を維持していくうえで重要だ。どれほど運動を心がけていても、身体づくりに必要な栄養が不足していては、十分な効果は期待しにくい。
「トランス脂肪酸」を避ける
さらに最悪なのは、タンパク質が不足した食事の穴埋めとして、手軽で安価な超加工食品や、体に有害な脂質を日常的に摂取してしまうことだ。
スプレッド類(マーガリンなど)、焼き菓子(市販のペストリー、マフィン、クッキーなど)、揚げ物(フライドポテト、チキンナゲット、ドーナツなど)に含まれている。
心臓病、脳卒中、2型糖尿病のリスクを高めるので、避けるべきである。――同書より
目先の便利さや快適さを優先し、菓子パンやスナック、揚げ物ばかりを選ぶ食生活は、心血管系を傷つけ、インスリン抵抗性を悪化させる。そのツケは、老後に「自由に動けない身体」と「慢性的な疾患」という形で支払われる。
若いうちから食生活の規律を保ち、高品質なタンパク質を摂取して、有害な食品を遠ざけること。この主体的な食事の選択こそが、数十年後の自分に対する最大の投資であり、老後の幸福を守る強力な手段なのだ。







