仕事で成果を上げ、十分な収入や社会的な地位を手にしても、それだけで人生の後半が幸せになるとは限らない。むしろ、働き盛りだからこそ見落としやすいものが、その後の人生の質を大きく左右する。医師で老年医学の専門家であるガブリエル・ライオン博士は、著書『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』で、目先のことに流され続けることの危うさを指摘している。人生の後半を幸せに過ごすために、何を大切にすべきなのだろうか。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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50代という分岐点
50代という年代は、多くのビジネスパーソンにとってキャリアの絶頂期であり、同時に最も重い責任を背負う時期でもある。しかし、どれほど社会的な地位を築き、経済的な安定を手に入れたとしても、この年代を境に不幸に近づいていってしまう人がいる。
そうした人に見られるのが、仕事中心の生活を送り、自らの健康を疎かにしてしまうことだ。
日々の多忙さに追われる中で、私たちは無意識に自身のケアを後回しにしがちだ。「忙しいから」と言い訳をして不摂生をやり過ごす。しかし、医師で老年医学の専門家であるガブリエル・ライオン博士は著書『筋肉が全て』の中で、目先の利便性や楽な選択に流されることが、長期的には決定的な破滅をもたらすと指摘している。
物事を簡単な方法で片づけようとするのは人間の本能かもしれない。
生まれたときからそうなのかもしれないし、経験を重ねるうちに身につけた処世術なのかもしれない。
だが、目先の便利さや快適さを追うのは長期的には賢明な選択ではない。
そのときはよくても、あとで苦しむことになる。
例外はないと言いきれる。
抵抗の少ない道を探すのではなく、あえて厳しい道を選んでみよう。
そうすれば強くなれる。――『筋肉が全て』より
仕事のプレッシャーから安易な食事に逃げ、疲労を理由に運動を避ける「抵抗の少ない道」のツケは、筋肉の減少と生活習慣病という過酷な現実となって跳ね返る。
多忙を言い訳にして自己管理を怠るな
どれほど社会的な成功や富を築き上げようとも、それを支える肉体が崩壊してしまえば、すべては砂上の楼閣にすぎない。不健康な生活の代償は、私たちの前にゆっくりと、しかし確実に現れる。
ほとんどの苦痛は、不健康な生活の結果としてゆっくり確実に訪れる。
あなたは今日、その進路を変えることができる。
人生を楽しみ、家族やコミュニティに貢献する力は、健康な身体という土台の上に築かれる。
偉大なものの根底にはつねに健康がある。――同書より
病に蝕まれ、自由に動かない身体では、どれほどの成功を収めてもその果実を味わうことはできない。人生を愉しみ、大切な人々に貢献するための力は、健康な身体という土台の上に成り立つのだ。
50代という転換期に、仕事の忙しさを理由に自己管理を放棄するのか。それとも、あえて自分を律する厳しい道を選び、強固な肉体と健康を維持するのか。その主体的な決断の差が、人生の後半戦を輝かしいものにするか、後悔に満ちた不幸なものにするかの決定的な境界線となる。







