エルメスの時計ほど、高級ハンドバッグ「バーキン」を手に入れるためだけに買った、と言われるものはない。フランスの高級ブランド、エルメスが高級機械式時計メーカーとして本格的に認められようと取り組む中で、少なくともそれは払拭しようとしているイメージだ。中古品価格の動向は、エルメスの取り組みがなぜ困難に直面しているのかを物語っている。エルメスの時計部門はここ数年間に最も急成長している事業の一つで、2019年以降、事業規模はほぼ3倍に拡大した。25年は販売が低迷したものの、時計事業の売上高は5億ユーロ(約907億円)を突破した。これは素晴らしい数字だが、エルメスの時計は依然として「バーキン」を入手するための「餌」とみなされがちだ。つまり、人気の高いバーキンを何としても買いたい消費者が、バーキンの提供を受けるために購入する商品というわけだ。