『風、薫る』第117回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第117回(2026年9月8日放送)「風、薫る」レビューです(ライター 木俣 冬)
亀吉は何をしに東京へ?
りんの元夫・亀吉(三浦貴大)が登場。栃木編以来だから、ずいぶんと久しぶりだ。亀吉というより熊吉と呼びたいような、ひげの濃い風貌になっている。このひげのせいで、もしや食い詰めて、りん(見上愛)のところに来たのでは?と身構えてしまう。
一ノ瀬家や事務所のまわりをうろついている不審者に見えるが、看護の希望かもと、直美(上坂樹里)が中に招き入れる。
那須から来たと聞いて、ぴくりとなる直美。同業者の寄り合いでしばらく東京に来ているという亀吉の説明に、食い詰めたわけではなく、家業は安泰なのかなと思う。
那須と聞いて、りんと関わりがあるのではないかと直美は感じたようで、警戒心をむき出しにする。
このときの直美は、天涯孤独のみなしごとして生きていたときのように野生的。最近はすっかり落ち着いた大人の女性になっていたが、何かあるときはぴりっとする。やさしいばかりでは務まらないシビアな経営者に向いていそうだ。
忘れてしまった視聴者はいないと思うが、亀吉を復習しておく。
栃木で運送業を営んでいる。飛脚から一代で事業を成功させた頼もしい人物だが、酒好きで、家ではいつも酔っ払っていて、りんを辟易させた。
りんとは再婚で、りんと同じくらいの娘がいる。娘・環に女学校に通わせたいというりんとは意見が合わず、女性には勉強が必要ないと対立している。大酒がもとで、火事を出し、それをきっかけにりんは家を飛び出し、離婚に至った。
酒さえ飲まなければ、悪い人ではないという描かれ方で、三浦貴大の演技や雰囲気も相まって、朝ドラ名物・ダメ男みたいな嫌われ方はしていなかった、はず。







