米財務省の国債買い戻し増額、投資家には物足りずPhoto:Kevin Dietsch/gettyimages

 長期債を対象に最大60億ドル(約9200億円)の買い戻しを10日に実施すると発表した後、米国債市場では利回りが一時、数年ぶりの高水準に上昇
 スコット・ベッセント米財務長官は、米国債利回りを押し下げるために大胆な措置を講じると約束した。しかしこれまでのところ、その取り組みは依然として不十分だ。

 財務省が9日、長期債を対象に最大60億ドル(約9200億円)の買い戻しを10日に実施すると発表した後、米国債市場では利回りが一時、数年ぶりの高水準に上昇した。より大規模な買い戻しを見込んでいた市場参加者の間で失望感が広がったためだ。

 財務省はすでに先月、長期債の1回当たりの買い戻し上限額を従来の20億ドルから少なくとも倍増させると発表していた。残存期間が長い既発債の流動性改善を図る目的で導入した買い戻しプログラムを拡大した形だ。長期債利回りが重要な節目の水準に迫っていたタイミングで発表されたことから、市場参加者の間では借り入れコストを抑制する取り組みだと広く受け止められていた。

 「全米トップの債券セールスマン」を自称するベッセント氏は、トランプ政権1期目の発足当初、債券利回りを押し下げることが政権の優先事項だと述べていた。だが、その目標はイラン情勢の緊迫化や関税の影響、さらには政権の手が及ばない事象によって繰り返し阻まれてきた。

 元ヘッジファンドマネジャーのベッセント氏は、アルゼンチンペソや日本円を買い入れる為替介入を含め、市場管理において異例なほど積極的な姿勢を取ってきた。

 ここ数日、同氏はさらに強気な発言を行っている。8日には最近の円買い介入に触れ、「私は非対称な情報を持っている。今や私が胴元だ」と発言し、「望むなら私に逆張りすればいい」と付け加えた。