きつい行政指導によって信頼は失墜した Photo:医薬経済社
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。
25年9月11日夕。厚生労働省6階にスーツに身を包む白髪男性の姿があった。部下を引き連れ、浮かない顔で訪れた先は監視指導・麻薬対策課、通称「監麻課」だ。医薬品広告などを規制する部署で、そこを製薬企業のトップが尋ねるのだから、只事ではない。
監麻課に「呼び出された」男性は、グラクソ・スミスクライン日本法人のポール・リレット代表取締役社長(写真)である。当日、部下とともに聴取を受けた。
「講演会で医薬品医療機器等法の規定により禁止されている広告を行った可能性がある」
厚労省は「9・11ヒアリング」から間もなくして、GSKに対し、薬機法に基づき「報告命令」を下した。福岡資麿厚生労働相(当時)の命だ。引き金となったのは、気管支喘息治療薬「テリルジー」、帯状疱疹ワクチン「シングリックス」、全身性エリテマトーデス治療薬「ベンリスタ」の3製品の講演会を通じた情報提供だった。
3製品のGSK講演会に関して、監麻課は今年8月に公表した“不適切な販促事例集”のなかで、特筆事項として報告している。企業や製品名こそ明言しないが「法違反にも該当しうる」「第68条(未承認医薬品の広告)に抵触する」と踏み込んで批判した。
GSKは製薬業界内で「コンプライアンスに厳しい(うるさい)外資系企業」との評判が専らだったが、それは有名無実で、不名誉な記録を残してしまった。







