interventionist treasury chief:
介入主義財務長官

力業で市場に介入するベッセント米財務長官、政府債務膨張が続く限り効果は限定的

 かつて著名ヘッジファンドの中核メンバーとして活躍した投資家スコット・ベッセント氏。今ではトランプ米政権入りし、財務長官として力業で市場の力学(market forces)に対抗しようとしている。

 米経済通信社ブルームバーグの記事上では「介入主義財務長官(interventionist treasury chief)」という大見出しが躍った。政府が市場経済に人為的に介入し、金利や価格動向に影響を与えようとするのが介入主義。自由主義経済のリーダーを自負してきた米国にとっては歴史的に忌避されてきた政策スタンスでもある。

 ブルームバーグの見立てでは、ベッセント氏は米国史上最も介入主義的な財務長官の一人だ。為替市場に続いて国債市場でも大規模な介入を行い、国債利回り(長期金利)の上昇を抑え込もうとしている。

 8月中旬には米国の30年国債利回りが一時5.3%台に上昇し、2007年以来19年ぶりの高水準を付けた。財政赤字の拡大やインフレ懸念の高まり、イラン戦争の長期化などを背景に、世界的な債券投げ売り(global bond selloff)が表面化しているためだ。

 これを受け、ベッセント氏は10~30年の国債を市場から買い戻す「バイバック」の枠を40億ドル(約6400億円)へ倍増させる方針を発表した。こうすることによって長期債(long-dated bond)市場の需給を引き締めて、長期金利を押し下げる方針だ。