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後輩に任せるより、自分でやったほうが早い。そう考えて仕事を巻き取っているうちに、いつの間にか自分しか処理できない仕事ばかり増えていないだろうか。目の前の仕事を早く終わらせることと、チーム全体の生産性を上げることは必ずしも同じではない。仕事を抱え込む人が見落としている「任せること」の本当の意味とは。※本稿は、戦略コンサルタントの山本大平『仕事ができる人の超整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
「自分がやったほうが早い」は
タチの悪い怠慢に他ならない
「これ、やり方を一から教えるより、自分で終わらせてしまったほうが早いな」
後輩やチームメンバーの遅いタイピングや、的外れな資料の構成を見た瞬間、つい手を出して仕事を巻き取ってしまう。
あるいは、最初から「この難易度の仕事は、どうせ他の人には無理だ」と諦め、すべてのボールを自分で抱え込んでしまう。
現場でバリバリと成果を出してきた優秀な人ほど、この「自分がやったほうが早い病」にかかっています。
しかし、この「自分がやったほうが早い」という判断は、とても短絡的で、中長期的にはチームの生産性を破壊する、タチの悪い怠慢に他なりません。
仕事を抱え込む人ほど
チームの「渋滞」を生む
なぜなら、すべての仕事を抱え込む限り、自分自身の処理能力がそのまま「チームの成長の限界値」になってしまうからです。
ここでは、「自分でやる」をやめ、他人に仕事を委ねるという「リソースの再配置」について整理していきます。
一車線しかない狭い道路を、あなたが走っていると想像してみてください。
あなたの車はスーパーカーのように速く、どんな複雑なカーブも見事に曲がり切ることができます。
ただ、後ろには、初心者マークをつけた後輩たちの車が何台も連なっています。
「自分の運転技術が一番高いから」と、先頭を走り続けて障害物を避け、すべての判断を下している状態です。
一見すると、チームを引っ張る頼もしいリーダーのように見えます。
しかし現実には、一人で複雑な判断を抱え込み、自分に確認・承認を取らないと後ろの車が前に進めないという「属人化の構造」を、あなた自身がつくり出しています。
結果として、あなたがちょっとでも風邪を引いたり、別の大型案件で手が止まったりした瞬間、後ろには大渋滞が発生します。
残念ながら「よかれ」と思っていたその行動が、渋滞リスクの要因を自分で生み出しているということです。
仕事ができる人が陥ってしまいがちなのは、「自分が必死に頑張っていること自体が、組織の成長スピードを遅くしている」という事実に気づきにくいことです。
二度手間を嫌って自分で仕事を抱え込み、永久にプレイヤーのまま疲弊する
■整理された仕事の手放し方(投資家の視点)
教育の手間と一時的な品質低下を「投資」と割り切り、未来の自分の時間を生み出す
「任せる」とは、自分がサボるために仕事を他人に押しつけることではありません。
自分が組織内でさらに高いレベルの課題にリソースを集中させるために、現在の自身のテリトリーを渡す「戦略的撤退」なのです。







