高齢者の旅行を活性化させる
4つの対策とは?

 では、シニアの旅行を活性化させる策はないのだろうか?

 一例として、ホテル特化型メディア「HotelBank」では、《日本の国内宿泊市場は、コロナ後の回復局面から「シニアの旅行控え」と「富裕シニアの高頻度旅行」という二極化のフェーズに入っている》との書き出しで動向を分析し、《二極化を踏まえた4つの提案》として、以下を挙げている。

《1》ペット同伴対応の拡張
《2》介護中の柔軟予約への対応
《3》富裕シニア向けの単価アップ余地
《4》複世代型の旅行プラン

 これらを参考に補足していこう。まず、ペットも泊まれる宿は全国でかなり増えているものの、まだまだ拡張の余地がありそうだ。あるいは、羽田空港から九州路線を主力とするスターフライヤーが、全路線全便対象で「ペット機内同伴フライト」を始めている。こうした取り組みが他のエアラインでも広がれば、ペット連れで旅行しやすくなる。

 介護中の柔軟予約に関しては、宿や交通機関によっては難しいかもしれない。一方で、ヘルパーが同行する介護付き旅行ツアーや、バリアフリーが徹底した宿は以前より増えている。今よりもっと使いやすく手ごろになれば、介護で旅行を諦めずに済む人は増えるだろう。

 子や孫を交えた3世代旅行を提唱するツアーや宿のプランは、すでにたくさん出ている。一例として星野リゾートでは、3世代旅行におすすめの宿や客室の予約に特化したウェブページを設けている。ANAやJALでも、ハワイやシンガポールなど3世代で楽しめる海外旅行先の紹介に熱心だ。

 富裕層シニアに関しては、ホテルや旅館なら客室露天風呂や特別食、送迎付きパッケージなどラグジュアリー要素を組み合わせることでニーズを満たせる。主にインバウンド向けに開業ラッシュが続く外資系高級ホテル、高級温泉旅館やオーベルジュなどがさらに増えれば、富裕層シニアも好んで利用するに違いない。

 なかでも注目は、クルーズ旅行ではないだろうか。近年、日本と韓国や台湾など近場を回遊するプランが増えたことで、富裕層シニアや3世代旅行者に人気となっている。

 特に、ジャパネットは2017年からクルーズの取り扱いを始め、累計利用者が10万人、年間売上高が150億円を突破するなど好調が伝えられている。テレビ通販の顧客基盤とクルーズ商品の親和性が、利用拡大の一因となったのだろう。