キャリア決済が、アプリビジネスを支えている
米国に、アップ・アニーという会社がある。アプリストアのデータ分析で急成長する会社だ。同社は、App Store、Google Play別のアプリのダウンロード・ランキングや課金状況を調査し、レポートにまとめて発表している。
それによると、ダウンロード・ランキングでは米国に大きく水をあけられている日本だが、アプリの売上ランキング、つまり収益面では、iOSでも米国に迫る勢いで、Google Playでは米国、韓国を抑えて、堂々の1位となっている(図表1、2参照)。
図表2に見るように、特にGoogle Playでは、日本、韓国、米国以外はほとんど売上を上げていない。iOSも、米国、日本以外の売上は低い。この点については、キャリア決済が導入されているのがこの3ヵ国だけなので、それが要因と考えられると分析されている。
また図表3に見るように、ダウンロード当たりの収益は、日本が圧倒的で、App Storeでは1.83ドル、Google Playでは1.89ドルに達している。平均はApp Storeが0.59ドル、Google Playが0.25ドルだから、その違いは大きい。他の地域に比べてダントツでDL当たりの売上が高いというだけではなく、Google PlayのほうがむしろiOSよりも高いというのも特徴だ。ほぼ同額で、バランスが取れているともいえる。こうした市場は日本だけだ。
つまり、世界の中で日本だけが、アプリビジネスがしっかりと定着している、言い方を替えれば、アプリがビジネスになっている、といえるわけだ。