「財務分析」と聞くと、決算書に並んだ大量の数字を読み込み、複雑な計算をしなければならないイメージがあるかもしれません。実際、数字を追うだけで疲れてしまい、肝心の分析までたどり着けない人も少なくありません。しかし、決算書の数字を「ある図」に置き換えるだけで、会社の全体像は驚くほどつかみやすくなります。今回は書籍『サンキー図で「お金の流れ」が1秒でわかる 見るだけ決算書』から、財務分析を一気にわかりやすくする方法を紹介します。

サンキー図を使うと財務分析が一変する

 決算書(財務3表)には、多くの数字が並んでいます。この数字から会社の財務状況や業績を読み解いていくことが財務分析です。

 財務分析は、経営層や投資家だけでなく、現場のビジネスパーソンが自社や取引先を正しく評価し、的確な意思決定を行ううえで頼りになるスキルです。ただ、数字の羅列を前に挫折してしまう人は少なくありません。
 そんなハードルの高い財務分析も、サンキー図を活用することで一気に捗るようになります。

全体像がひと目でわかる

 サンキー図の強みは、数字を丁寧に見比べなくても全体像(構造)がひと目でわかり、分析のスタート地点にすぐに立てることです。例えば次のサンキー図を見てください。無印良品を運営する良品計画のPLをサンキー図にしたものです。

なお、ここからは説明の都合上、PL(損益計算書)の用語が出てきますが、まだ用語の意味を理解する必要はありません。サンキー図の特徴を理解することに集中して、見てみてください。

良品計画・PLサンキー図良品計画・PLサンキー図(著者作成)

「会計をわかっている人の頭の中」

 このサンキー図からは、次のようなことがわかります。

・良品計画の売上は国内事業が59.9%で半分以上を占めている。
・本業ビジネスの儲けの大きさを示す営業利益は738億円であり、売上高に占める営業利益の割合は9.4%である。

 本来、これらの情報は数字だらけの決算書からはすぐにはわかりません。数字を行き来しながら頭の中で構造を組み立てる必要があります。

 サンキー図はそうした手間を省き、図を見ただけで「この企業の利益構造はこうなっている」と感覚的に理解させてくれるのです。初心者であっても、まるで「会計をわかっている人の頭の中」を覗いているような感覚で、分析の入口にすぐに立つことができます。