人は何のために働くのだろうか。もちろん、生活するために収入を得ることは大切だ。しかし、お金を十分持っているのに、それでも働き続ける人がいる。仕事を長く続ける人は、いったい何を原動力にしているのか。仕事と人間関係の本質を突いた​『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)より、特別に一部抜粋・再編集してお届けする。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【人生後半】老後の資金は貯まった。それでも働き続ける人の「意外な理由」とは?Photo: Adobe Stock

引退せずに働き続けるのには「理由」がある

人はなぜ仕事をするのでしょうか。

収入を得る。もちろん、それは大切な条件です。

収入がなければ、ボランティアになってしまいます。

しかし、不思議に思いませんか。

多くの経営者が引退せず働き続ける。
芸能人が成功したあとも、体力的にきつい舞台に立ち続ける。
年金をもらっているシニアが、それでもアルバイトをする。

もはや、お金のためだけではありません。

ビートルズのポール・マッカートニー。彼は80歳を超えてもなお、北米19公演のツアーを敢行しています。資産は約2000億円とも言われ、印税だけで年間十数億円が入ってきます。

かつてインタビューで「膨大な曲があり、印税だけで暮らせるのに、なぜこれほど苦しいワールドツアーを続けるのですか?」と問われたとき、彼はこう答えていました。

「一度でいい、僕らのショウを観に来てごらん。そうすれば、なぜ僕がやるのかわかるはずだから。オーディエンスが最高。僕はミュージシャンだから、音楽を演奏するのが好きなんだ」

「楽しいから働く」

また、YouTubeでこんな動画を見ました。
「働くことの意味とは? マクドナルドの最高齢クルー95歳の哲学に迫る」

95歳の男性が、午後11時から6時間、週4日、店内を清掃する姿が映っています。

その姿を見た店長が感銘を受け、周囲も刺激を受けていました。

インタビューでこう答えていました。

「掃除するのが好き。楽しい。100歳まで働きたい」

ここに、仕事の本質があると思います。

「楽しい」「おもしろい」からやる。
「人のためになっている」という実感が、自分の喜びにもなっている。

そう感じられるようになったとき、それこそが本当の意味での成功ではないでしょうか。

「仕事がおもしろい」。だから長く続けられる

私も最近は、「お金になるから」という理由ではなく、「おもしろいから」「人のためになるから」という動機で仕事をすることが増えてきました。

私が執筆業を始めてから16年。本書は第1作目から数えて約60冊目の著作になります。
必要性だけで言えば、もう書かなくてもいい。

YouTubeも週4回ペースで1500本ほど上げてきた。
これ以上増やす必要は、どこにもありません。

研修も年200回ほどこなしていますが、大胆に減らしても問題はありません。

妻からは、「もう、そこまでやらなくていいんじゃない」と言われます。

それでも続けるのは、やっぱりおもしろいからです。

ボランティアではなく「仕事」だから意味がある

じゃあボランティアや趣味でもいいじゃん、と思うかもしれません。

でも仕事でないと、やはりダメなのです。
前職のトップセールスだった先輩の言葉が、今も忘れられません。

「売上の本質は、お客様からの感謝の総量だ」

仕事には責任と期待が伴います。
だから絶対手を抜けません。だからおもしろいのです。