結婚に失敗しても、一人になっても、人を好きになることをやめる必要はない。4度の結婚と離婚を経験した作家・宇野千代は、95歳になっても「今が結婚適齢期」だと考えていた。波瀾万丈の人生を歩んだ彼女がたどり着いた、結婚と恋愛についての考えとは。※本稿は、作家の宇野千代『宇野千代のことば 書いて、恋して、おしゃれして』(平凡社)の一部を抜粋・編集したものです。

私は結婚と言う学校の
落第生です

作家の宇野千代作家の宇野千代 Photo:SANKEI

 私は、結婚と言う学校の落第生です。4回も落第しました。
 この、落第しないようにするということが、ちょっと口で言うほど、生易しいことではないのです。

 私も4回も落第したのですから、あ、また、ここで落第するな、と言うことが、勘で分かるのです。ここだ、この曲がり角で引っ返さなければ、と言うことが分かっているのに、やっぱり引っ返さないで、そのまま突き進んでしまうのです。私の結婚生活は、いつでもここでおしまいになりました。

 この時期が来るまでは、私は自分の恋愛感情のままに行動すればよかったのですけれど、ここまで来ると、単に恋愛感情だけではない、男と女との間にもあるに違いない、真の意味での友情がなければ、その生活を続けて行くことが出来ない。それが私にはなかった、とでも言えるでしょうか。結婚式の当日にはもちろん、誰でも、私たち2人の間にはそう言う友情がある、と確信するものです。その確信を育てていただきたいと思います。

ほんの一ところでも
相手のいいところを発見する

 自分の理想にぴったりと合ったと言う人は、そういるものではないのである。それなら、相手の中にあるほんの1カ所でも、自分から見て好きなところ、好いと思えるところがあったら、そのことを基にして、結婚し、お互いに、そのことを努力して育てて行って貰ったら、どれだけ好いであろう。